なぜ20代の若者が強盗をしてしまうのか…危険な「闇バイト」から家族を守る具体的な方法
こうならないためにはどうすればよいのでしょうか。十数年にわたって、闇バイト募集に調査電話をかけて、リクルーター(詐欺の募集をする役)と話をしてきた筆者の経験から、解説できればと思います。 ■「ホワイト案件」といっても要注意 闇バイトとして募集されるものには、現金を直接に取りにいく「受け子」、キャッシュカードでお金を引き出す「出し子」、海外リゾートバイトなどといって、海外のアジトで詐欺の電話をかけさせる「かけ子」、銀行口座を新規で開設したり、スマホを契約してくれれば、報酬を払うというものもあります。
ただしSNSですぐに闇バイトとはわからないよう掲載していることも多くあります。なかには闇バイトへの注意を呼びかけて、「ホワイト案件」(詐欺ではない仕事募集)とうたう募集もあります。 闇バイト募集を見抜くには、「高額バイト」「高収入」「即日即金」「UD(受け子、出し子の隠語)」「運び」といった言葉を覚えておいてください。これらが書かれていたら、闇バイトの可能性があると思って立ち止まってください。これが見抜くための第1のポイントです。
しかし募集に興味をもってDM(ダイレクトメッセージ)を送り、連絡を取る方もいるかもしれません。第2のポイントとして、すぐに返事がきて秘匿性の高い通信アプリ(テレグラム、シグナル)にて「仕事の説明をしたい」と募集先から言われたら、闇バイトを疑ってください。なぜこのアプリを使うのかといえば、犯罪の指示の証拠を消すためです。一般の求人募集ではこうしたアプリは使いません。 リクルーターらは口がうまく、応募者をだますための話術に長けている人物だということです。これまで数えきれないリクルーターたちと話をしてきましたが、そのほとんどが特殊詐欺を長くやってきた人間であることがわかっています。
最初から威圧口調で話す人もいましたが、ほとんどの人は親切で思いやりを見せるように話をしてきます。その丁寧さから、犯罪にかかわる仕事だと気づかず話し続ける人もいます。 ■「大変だよね」「これまでお金で苦労してきたね」 最初に彼らが聞いてくるのは、私たちの個人情報です。仕事の面接と称して、名前、生年月日、年齢、居住地を聞いてきます。しかしそれだけではありません。続いて聞いてくるのが「借金はどのくらいあるのか」「いくら稼ぎたいのか」です。ほとんどの応募者が、お金に困って応募しているので、つい答えてしまいがちです。