ハンガリーの合唱フェスで中華民国国旗撤去 台湾の合唱団、国旗持ち出演
(台北中央社)ハンガリーで開催された合唱イベント「カンテムス国際合唱フェスティバル」で20日、会場に掲出されていた中華民国国旗が中国の圧力により撤去されるトラブルがあったものの、招きを受けて出演した台湾の合唱団が舞台上で中華民国国旗を広げ、観客から拍手喝采を浴びるエピソードがあった。 「台北愛楽合唱団」の音楽監督、古育仲さんによれば、イベントでは16日から公演を実施。当初は中華民国国旗が掲出されていたが、中国大使館を通じて中国外交部からハンガリー外務省に撤去するよう圧力があり、最終日の20日午後に取り去られたという。 普段から頻繁に海外で公演をしている同合唱団。古さんは「初めて中国大使館から抗議されたわけではない」と話す。主催者側は何度も謝罪をしてきたとした上で、撤去の決定に一定の理解を示した。 古さんは、国旗を持って舞台に上がることが可能か主催者側に問い合わせたところ、尊重と歓迎をしてくれたと説明。また出演時などには同合唱団が「台湾から来た」と紹介してくれ、主催者側のやりきれなさも感じたと振り返った。 同イベントでは、コンテストに出場した台北愛楽児童合唱団が金賞と現代音楽ベストパフォーマンス賞、指揮を務めた傅湘雲さんがベストコンダクター賞をそれぞれ受賞。古さんは、出演の最後には会場で「台湾、台湾」と声援が上がったとし、感動したと話した。 (趙静瑜/編集:齊藤啓介)