1日1羽…1000日間折り続けた鶴…広島に贈ることも検討 在シアトル日本総領事が紡いだ“千羽鶴”
新型コロナが猛威を振るっていた2020年にアメリカ・シアトルの日本総領事に着任した稲垣久生さん。コロナの収束と人々の健康・平和を願って毎日欠かさず鶴を折り続け、ことし5月17日に1000日目を迎えました。その千羽鶴に込められた思いとは。
■コロナの収束願い毎日折り鶴を
稲垣さんは2020年に在シアトル日本総領事に着任以降、1日も欠かさずに続けてきたことがあります。 ・2020年8月22日、インスタグラムに初めて投稿された内容 「This is my first visit in #Seattle. I am excited about coming days. Praying for everyone’s health and peace. I have folded a crane.」(私の初めてのシアトルへの訪問です。これからの日々が楽しみです。皆さんの健康と平和を祈り、鶴を折りました) 1日1羽、コロナウイルスの収束と人々の健康を祈りながら鶴を折り、その様子を自身のインスタグラムに毎日投稿。インスタグラムの画面いっぱいに映し出された稲垣さんの顔。同じ画角で同じ内容の動画が並びます。撮影や投稿はシアトルの自宅で一人で行っています。 投稿に至った経緯について稲垣さんは。 「新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響で多くの方が大変な思いをしている。病気やケガをしている人が早く治るように、苦労している人にお見舞いを申し上げる気持ちでやってみようと思いました。」と振り返ります。
■1000日目を迎え…“千羽鶴”に込めた思い
シアトル日本総領事着任からまもなく3年。1日も欠かさず鶴を折り続けた稲垣さんですが、5月17日ついに1000日目を迎えました。 ・1000日目の投稿 「Today is my 1000th day in Seattle. I have folded an 1000th crane while praying for everyone’s health and peace.」(シアトルに来て1000日目です。皆さんの健康と平和を祈り、1000羽の鶴を折りました) 節目の1000日目、ネクタイには鶴の絵が描かれています。 3年近くにも及ぶこの間、大きな反響もあったといいます。シアトルの郵便局を訪れた際にはマスクをしていたにもかかわらず、初めて出会った男性に「稲垣総領事ですよね?インスタグラム見てますよ」という言葉をかけられたことも。また、外交官として真面目に国際政治の話をする場でもインスタグラムを見てくれていたことがきっかけで親密に話ができるような場面もあったといいます。