親になかなか言い出せず…「実家じまい」どうする?母と話し合いの末に売却した経験者「何を処分して何を残すか…生きているときに話できたのは良かった」
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2025年、5人に1人が75歳以上の高齢者となり、相続が多くの人にとってひとごとではない「大相続時代」を迎えた日本。 街の人は… (70代 親と相談済み)「もう(相続は)法律のとおり、会計士さんが入って法にのっとって。(Q話しにくさは?)ないないない」 (60代 娘と相談中)「(Q娘と相続の話する?)簡単に話はしてるんですけどね、ぼけたら施設に入ってなんとかそういうことをね。ほんで今住んでる家は(娘が)『わたしがもらう』とかなんとかめちゃめちゃ言うてますわ」 その一方で… (60代)「母が今もう90歳になるんですけどまだ元気なんですよ。(相続の話は)しにくいですよ。母からね、私死んだらどうするとか、相続のことやけどとか言われたら真剣にあのねって言うけど、母からない限りは私たちからは言わない」 また親の死後、残された実家について悩みを抱えているという声も。 (70代夫婦)「実家は岡山なんです。田舎やから売れへんね、なかなか難しい、難しい。空き家もしまわなあかんしお墓もしまわなあかんし、いろいろ大変なのよ」 去年、実家を売却する「実家じまい」をしたという東京都に住む60代のAさん。決断するまで気持ちの整理に時間がかかったといいます。 (Aさん)「父と母が、私が小学校に入るときに建てた家で間取りなんかも2人で考えたりして、母の希望としては死ぬまでこの家にいたいと」 熊本にある築60年の実家。1人娘のAさんは大学入学と同時に上京しました。 父親が他界した後、介護が必要な90歳を超える母親を東京に呼び寄せ一緒に暮らすことにしたため、実家は空き家に近い状態でした。 それでも固定資産税の支払いや庭の手入れなど維持費が年間で計20万円ほどありました。 (Aさん)「やっぱり『すぐに売ろう』とは母には言い出せなくて。いつまでもほったらかしにはできないから、何かこう、キリをつけなきゃ。『あの家は売ろうね』って私が切り出すまでには(同居から)1年ぐらいかかりましたね」 Aさんは母親と話し合い、傷んでいく家をこのまま放置できないと「実家じまい」を決意。荷物の整理などしている最中に母親は亡くなり、死後に売却しました。 (Aさん)「(Qご存命のうちに処分を考えてよかったことは?)東京に来るときに『仏壇を持ってくる』って絶対言うと思ってたら持ってこなかったんですよ。何を処分して何を残すかっていうときに、母の気持ちを確認できた。母とちゃんと生きているときに家を売る話をできたのは良かったと思います」
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