全7戦の2025年ETRCカレンダー発表。グッドイヤーも2027年までタイトルパートナー契約を延長へ
スペイン・ハラマにて10月初旬に開催された最終戦を前に、この2024年も王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が年間19勝という圧倒的な強さを発揮して自身6回目のチャンピオンを確定させたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップが、来季2025年のカレンダーを発表。「トラックレーシングの興奮を、ヨーロッパでもっとも象徴的で人気のあるモータースポーツ会場のいくつかにお届けする」べく、全7戦のスケジュールを公開している。 【写真】ドイツ・ニュルブルクリンクでのETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップレースの様子 シリーズが「革新と持続可能性への揺るぎない取り組みに満ちたシーズン」と表現した2024年は、シーズンの全予選セッションで14回のポールポジションを獲得し、昨季から継続する“年間予選全セッション制覇”の記録を更新したチャンピオンが、全17台のトラックの頂点に立ち王座防衛に成功している。 「こうして4年連続でタイトルを獲得し、通算6度目のチャンピオンになれたことを、本当に誇りに思う。FIA表彰式は素晴らしいイベントで、普段は会うことのできない他のチャンピオン、とくに世界チャンピオンと一緒にここにいられることを光栄に思ってもいるんだ」と、今季はアフリカ大陸のルワンダ・キガリで初めて開催された年次表彰式でトロフィーを受けとったキス。 そのETRCの2025年シーズンは、風光明媚なイタリアの海岸沿いのコースとして知られるおなじみ“ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ”ことイタリア・ミサノで5月17~18日に開幕を迎える。 そこから6月7~8日にスロバキアリンクへと向かい、その後は「世界でもっとも象徴的なモータースポーツ会場のひとつ」でもある伝説のニュルブルクリンクにて、このトラックレース界を象徴する『ADAC Truck Grand Prix』が7月12~13日の週末にシーズンハイライトの山場を迎える。 サマーブレイクを挟み、チームは8月30~31日にチェコ共和国のアウトドローモ・モストに向かい、続いて9月13~14日にベルギーのゾルダー、9月20~21日にル・マンのブガッティ・サーキットで2連戦を実施。最後は2024年同様10月4~5日にスペインのハラマで開催される最終戦にて、2025年のチャンピオンが決定する。 「2025年のカレンダーは、ファンに人気のクラシックなサーキットと、ファンを釘付けにするエキサイティングな連続イベントを組み合わせた、忘れられない体験を提供するという私たちの取り組みを反映しています」と語るのは、シリーズ運営団体ETRA(ヨーロピアン・トラック・レーシング・アソシエーション)の運営ディレクターを務めるジャニーネ・マイヤー。 ■グッドイヤーがタイトルスポンサーおよびタイヤ供給契約を延長 また、シリーズはグッドイヤーが2025~2027年シーズンのタイトルスポンサーシップと独占タイヤサプライヤー契約を延長したことを発表し、2003年の初参画以降、2016年からは技術開発における不可欠なパートナーとして続く、特別に開発されたレーシングタイヤを引き続き提供し、トラックレースの技術革新とパフォーマンスの推進に貢献する。 「グッドイヤーとのパートナーシップをさらに3年間延長できることをうれしく思う。我々は協力し、FIA ETRCをモータースポーツシリーズとしてだけでなく、持続可能性と技術革新のプラットフォームとしても高めるために取り組んできた」と喜びを語ったのは、同じくETRAでマネージングディレクターを務めるゲオルグ・フックス。 「この契約延長は、トラックレースと道路輸送業界の、より持続可能な未来に対する我々の共通のビジョンを強調している」 シリーズは2021年から100%再生可能なHVOバイオ燃料を使用し、使用済みのレース用タイヤを輸送車両用のオンロード製品に変える“タイヤ・リトレッド”の取り組みにより、環境への影響の削減において大きな進歩を遂げてきた。 この循環型アプローチにより、ETRCとグッドイヤーはどちらも直近FIA国際自動車連盟の『3つ星環境認定』を取得。これはFIA環境認定フレームワーク内で最高レベルの認定となり、ルクセンブルクのイノベーションセンターで開発された2024年仕様タイヤは、ウエットとドライの双方のコンディションでグリップ、耐久性、パフォーマンスを向上させ、選手権で使用される年間タイヤセット数を減らす実績も挙げている。 さらにETRCとしては、既報のとおり2038年までにシリーズ活動由来の二酸化炭素(CO2)排出量で“ネットゼロ”を達成するという大胆な取り組みに向け、未来の重要なエネルギー源として水素にも焦点を当てており、前述のバイオ燃料から電動パワートレイン、果ては水素に至るまで持続可能なテクノロジーの主要プラットフォームとしての地位を確立していく計画となっている。 ■ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ 2025年カレンダー ラウンド 開催日 開催地 Rd.1 5月17~18日 イタリア/ミサノ Rd.2 6月7~8日 スロバキア/スロバキアリンク Rd.3 7月12~13日 ドイツ/ニュルブルクリンク Rd.4 8月30~31日 チェコ共和国/モスト Rd.5 9月13~14日 ベルギー/ゾルダー Rd.6 9月20~21日 フランス/ル・マン Rd.7 10月4~5日 スペイン/ハラマ [オートスポーツweb 2024年12月24日]