【ClariS】ふたりの気持ちがリンクするアルバム「秋のうた」♪
クララはバラードに対して“ドM”
――クララさんは、柴咲コウさんがRUI名義で歌った映画『黄泉がえり』の主題歌「月のしずく」をカバーしています。「月のしずく」は、つまり「クララの涙」だなと思いました。 カレン:「月のしずく」と書いて「クララの涙」と読む。それ、いただきました(笑)。 クララ:個人的に切ないバラードは、聴くのも歌うのも大好きなので、私が今まで積み重ねて来たものを注ぎ込んで歌おうと思いました。カレンの卒業を重ねて歌ったわけではないのですが、聴いてくださる皆さんの気持ちを昇華させるようなカバーになればいいなと思います。最後の歌詞が〈永遠に続く愛を…〉のように、私たちの関係性は永遠だし、今まで積み重ねて来た時間と経験、思い出も永遠だよって。 カレン:この表現が正しいか分かりませんが、クララはバラードに対して“ドM”なんです(笑)! クララ:え!(笑) カレン:ボロボロになりながら、切なかったり儚かったり、自分から傷つきに行きたいのかなって思うくらい、自ら辛い感情を欲しがる感じは、バラードに対してドMだなって思ったんです。 クララ:まぁ確かにそういうところはあるけど。 カレン:切ないバラードが好きと公言するだけあって、これこそがクララの歌声の真骨頂です。〈下弦の月〉は別れを意味していて、選曲はどれも本当にたまたまだけど、お互いの心情やこれからにハマるようなソロ曲になったなと思います。 ――すごく聴き応えと考察のしがいがある1枚になりましたね。 クララ:松田聖子さんのポップな「風は秋色」があったり、小泉今日子さんの「木枯しに抱かれて」はリズムがあって、その上でソロはしっとりと聴かせる。いろんな私たちを楽しんでいただける1枚になりました。 ■「Clear Sky -2024-」のMVの青空は無課金です ――BESTアルバム『ClariS ~SINGLE BEST 2nd~』もリリースされます。こちらには、「Clear Sky -2024-」の新録と新曲「Evergreen」が収録されています。 クララ:ベスト盤としては、カレンが加入してから約10年の歴史が詰め込まれています。 カレン:「Clear Sky」は私が加入して初めてレコーディングした曲で、雑誌の特典CDに収録されたものを新たにレコーディングしました。この曲を再録した経緯としては、前回のツアーのMCがきっかけとなって、既存の曲から新たに実写MVを作ってほしい曲を、ファンの皆さんに投票していただいたんです。その結果「Clear Sky」を再録してMV撮影を行うことに決まりました。 ――MVは手をつなぐとか見つめ合うシーンが多いなと思いました。 カレン:無意識レベルで手をつないでいました! クララ:「Clear Sky」のために特別なことをしたのではなく、普段のふたりの距離感をそのままお届けしています。 ――普段からくっついているんですね。 カレン:さすがに手はつなぎませんけど、近くでしゃべりたくて側に行って、距離を見誤って体がぶつかってしまうことはよくあります(笑)。 クララ:海外遠征に行く飛行機が満席で隣が取れなかった時、隣の席の方にお願いして席を替わっていただいたこともあります。そういう関係性や普段の姿なども、観ていただけるような映像です。 ――鏡に写るつないだ手も、合成ではないんですよね。 クララ:外のシーンは予定に無かったのですが、撮影日が快晴だったので急遽外でも撮ろうとなって。ちゃんと「Clear Sky」をお届けすることができて良かったです。 カレン:あの青空は無課金です(笑)。
榑林 史章