日本のIT業界の未来は明るい! さまざまな分野から個性豊かで優秀な作品が集結。「U-22プログラミング・コンテスト2024」 最終審査会が開催。
10代とは思えない芸術的なゲーム作品が受賞
次に、「経済産業大臣賞 アイデア」 には、独創的なクリエイティビティ溢れるゲーム 「きのこを狩るもの」 を発表した花田勘太郎さん。スクラッチで制作したという花田さんに、審査員からは 「スクラッチでここまで芸術的な作品は見たことがない」 という驚きの声が上がった。
プロ顔負けの完成度の高い作品
そして、「経済産業大臣賞 プロダクト」 には、日本工学院八王子専門学校のSHADOW ESCAPEが発表したゲーム、「プリズンブレイク」 が選ばれた。サーチライトをうまく活用しているアクションも面白く、「感情曲線」 をもとに開発を進めるなどプロ顔負けのチームだ。 続いて、「経済産業省商務情報政策局長賞」 が発表された。「経済産業大臣賞」 と同様に、「テクノロジー」「アイデア」「プロダクト」 から各2作品、計6作品が発表された。 「テクノロジー」 には、Stack Programming Communityの 「スタック指向型スクリプト言語Stack」 、愛知工業大学 町田渉さんの 「LicenSeed - 新しいライセンス付与と管理のカタチ」 が、「アイデア」 には、慶應義塾大学 MonochroPonの 「InterSense - 感情認識と目線検出によるAI面接練習&分析アプリ -」 と、群馬県立高崎高等学校 西山拓斗さんの 「Bridglass」 が、「プロダクト」 には、桐光学園高等学校 飯塚忠相さんの 「TANE」、九州工業大学 二見和磨さんの 「Stacio」 が選ばれた。 その他、スポンサー企業賞各賞が発表され、ニコニコ動画、YouTube視聴者の投票による 「視聴者賞」 には 「アイヌ語ニューラル機械翻訳アプリ 「tunci」」 の五十嵐涼さんが輝いた。 総評にあたり、審査員長の東京大学 名誉教授の近山隆氏は、「多数の応募の中から最終審査会に進んだ作品はいずれも優秀。このコンテストは分野を特定せず、プログラミング一般という大変幅広い対象となっており、さらに今年は使っているテクノロジーも目指している方向性も非常に幅広く、それぞれ目標を持って開発されたものだったため、順位をつけるのはとても難しい作業だった。」 と振り返った。 また、ここ数年の関心を集めている “生成AI” を取り入れている作品が数多くあった点については、「感心したのは、生成AIに頼ってしまうのではなく、上手に使った例が多数見られたのは大変うれしいところでした。」 とコメントした。 最後に、「今回参加された皆さんも22歳以下であれば何度でもまた応募できますので、ぜひまたチャレンジしてください。今回で最後という方も、これから活躍する場がたくさんあると思いますので、今後の精進をぜひお願いしたいと思います。」 と締めくくった。 「U-22プログラミング・コンテスト」 は来年も開催を予定しており、2025年4月頃に詳細が発表される予定だ。 次世代のIT人材を育成・発掘する本取り組みに、今後も注目していきたい。 ●U-22プログラミング・コンテスト公式Webサイト https://u22procon.com/ ●問い合わせ先 U-22プログラミング・コンテスト運営事務局 (一般社団法人ソフトウェア協会内) u22-info@saj.or.jp
取材・文:カトウワタル(FINDERS編集部)