【解説】安定的な皇位継承のあり方は 皇族数の確保へ2つの案の議論始まる
■2つの案 今後の進め方・課題は
陣内貴美子キャスター 「今回、本格的な議論が始まったばかりですけれども、すぐになにかが変わるわけではないと思います。では、どういうふうに進んでいくのでしょうか?」 笛吹解説委員 「17日の会見でも、国家のあり方として根幹をなすという話がありましたが、こうした制度は皇室典範という皇室の法律で決まっているので、それを変えることになります。上皇さまの退位の際は、特例法というもので皇室典範の本体を変えなくても運用できるという前例ができました。当時は各社の世論調査で9割の支持があったわけですが、それくらいの支持がないと皇室典範を変えるのは大変だろうと宮内庁幹部も話しています。また、側で仕える人たちは、やはり新しい制度については実現性というだけでなく、皇室の方々の気持ちやその人生に寄り添うものであるか、注目しています」 森キャスター 「簡単なことではないというのはよくわかりますが、所教授自身はどのように進めるべきだと考えますか?」 所名誉教授 「今まで大事なことは、ある意味でおざなりにされてきたわけですから、今回一挙に解決ができるはずがないのです。まず第一歩を踏み出して、当面、皇族女子が皇室に残れるとか。あるいは養子という形で皇室に入られて、皇族数を一定数確保できるような道を開くということですが、その具体的なあり方は、指摘したようなことが問題としてありますから、それは今後検討して、改めてまた手直しをしていくと。つまり、改正は何回も重ねて、それで厳密に運用しやすいようにすると。そういうことを続けなければいけない。今回は、そういう意味では、結果的には皇室典範そのものの改正は難しいとすれば、特例法でこの2つの案を実現できるような道を開けばよいと思っています」 森キャスター 「とにかく時間をかけて丁寧な議論が必要とされるのはもちろんですけれども、私たち国民も、関心を持って見守っていこうと思います」