安倍首相の真珠湾訪問 日米に残った「わだかまり」は解けたか
なお、両国民はこれまで和解してこなかったのではありません。国際社会での協力や同盟関係を結ぶこと、さらには両国民の交流など様々な形で和解を進めてきました。安倍首相の真珠湾訪問はその上でのさらに大きな一歩だったのです。 しかし、これで和解が完了したのではなく、両国民はさらなるわだかまりの解消のために今後も努力が必要です。 特に靖国神社については、首相が参拝すべきだという考えもありますが、戦争の指導者を祀ることは「偉かった」とみなすことであり、それは内外を問わず多くの人に受け入れられないのではないでしょうか。私は、この問題は日米両国民の和解を妨げており、戦争指導者は靖国神社に祀らないという形で、つまり、いわゆる「分祀」などにより一刻も早く解決すべきだと考えます。
------------------------------ ■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹