洋服における「女性らしさ」の表現で悩む人が多い理由。人気芸人に意外なヒントが
男性芸人が女性キャラクターを演じるときの服装を見てみると
「女性らしさ」の表現で私がいつも感心するのは、男性の芸人さんたちが女性のキャラクターを演じるときのスタイル。 特にいつも女性にしか見えないわ、と感心するのがコットンきょんさん。きょんさんはいろいろな女性キャラクターを演じるのですが、服装、髪型、メイク、言葉遣いで、女性にしか見えないキャラクターばかり。特に最近の私のお気に入りはきょんさんが演じる「エディターえり子」。気配りが素晴らしいエディターえり子、本当に存在していそうです。 なぜ生物学的には男性とされている人が服その他によって「女性らしさ」を表現できるのかというと、洋服の世界ではルールが決まっているからです。 これは一種のゲームのようなものだと考えればいいでしょう。このゲーム内で「女性」を演じるためにはこういう服装を着用すること、と決まっています。芸人の皆さんはそれを熟知しているから、いろいろなキャラクターの女性を表現することができるのです。 今では女性らしいと思われているフリルもレースもタイツもヒール靴もスカートも、ピンクも赤も、歴史的には男性も着用しています。 肉体がどうであるかの問題ではありません。ゲームのルールは時代によって変わってきますが、基本的には「男性が通常着用しないもの」が「女性らしさ」の表現として使われます。ゲームのルールの中では何を着れば「女性らしさ」になるかは決まっている、ただそれだけのこと。
誰にでもわかりやすい「女性らしさ」を表現する1枚
私が持っているヴェロニク・ブランキーノのジャンパードレスも、そんな女性らしさを表現するのにぴったりの1枚。 起毛してふわふわした素材、ぱっきりと明るい黄色、袖なし、そして何よりドレスであるということなど、1枚にぎゅっと「女性らしさ」を詰め込んだこのドレスで11月の街を歩くと、街行く人の目がこちらにくぎ付けになっていることがよくわかります。 友達にも貸してみましたが、同じことを経験しました。とにかくこのドレスは誰にでもわかりやすい「女性らしさ」なのです。 女性らしさの表現は洋服というゲームのルールの中で決まっている。女性らしさを表現したい人はそれを利用すればいい。表現したくない人は逆なことをやればいい。 多くの人が悩んでいるようですが、コットンきょんさんを見習って、お悩みの方はチャレンジしてみるといいのでは? それほど難しいことではないと思います。 ◆ドレス(筆者私物):ヴェロニク・ブランキーノ <文/小林直子> 【小林直子】 ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。
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