高齢者の孤立死は増加、賃貸オーナーや管理会社は受け入れ拒否が多数。万が一のとき賃貸借契約の解除・残置物の処理を行う等、安心入居に奔走する不動産会社の挑戦 アミックス
効率が重視される世の中でも、入居者一人ひとりと顔を見てつながっていくことも大事ではないか、と金子さんは言う。
「さらに、入居者やオーナーさんへの提案で物件価値の維持、向上を図ることも大事です。例えば既に居住中の方も年齢を重ねると2階以上が住みづらくなることも起こり得ます。そのようなとき、1階への住み替えを提案し、オーナーさんには空室になったタイミングで適切なリフォームを提案するなどすれば、物件を長く保全することが可能です」 高齢者の賃貸への入居が難しい問題は、いろいろなところで話題になりつつあります。今回紹介したケースでは多くの会社の協力を得て、さまざまなサービスを一つにまとめて提供できている点が大きな特徴ですが、このように高齢者への入居に対応している不動産会社はまだ多くはないのが現状です。 また、精神疾患や認知症の発症など、死亡事故以外の対応をどうするかも課題といえます。「一つひとつ解決し、行政や関係団体、企業などとの連携体制もさらに整えていきたい」と話す金子さん。時間をかけて高齢の入居者と向き合っていくには、さらなるマンパワーも必要でしょう。高齢者が住まいを借りるとき、このようなサービスが当たり前の社会になっていくことを切に願います。 ●取材協力 株式会社アミックス
和田 文(りんかく)