【昭和少年】収集好きは昔から 社会問題にもなった「仮面ライダーカード」
いまやゲームがVR化されたり、スマホでポケモンを捕獲してまわる時代だが、その一方でアナログ盤レコードが一定の人気を得たり、「写ルンです」が静かなブームを呼んだりと、デジタル世界の片隅でアナログ的なものも一部共存できそうな気配も見られる。 そこで今回クローズアップしてみたのは、「仮面ライダーカード」。仮面ライダーは、アナログからデジタルまで、まさに時代を貫いてきたヒーローものシリーズで、現在も「仮面ライダービルド」(テレビ朝日系)が放送中。主人公のイメージから始まりおもちゃやグッズ類に至るまで、時代に合わせて変化してきたわけだが、現在50代の男性にとっては仮面ライダーと聞けば必ず思い浮かぶアイテムが、ライダーカードではないだろうか。
少年たちが夢中になった「仮面ライダーカード」とは?
ライダーカードは、1971年11月~1973年1月までカルビー製菓(現・カルビー)が発売したスナック菓子「仮面ライダースナック」にもれなくついてきたもの。スナックの袋に封入されているのではなく、販売店に卸される50袋入りのダンボール箱に55枚前後のカードが同梱され、購入時に1袋につき1枚が手渡される方式だった。カード自体は袋に包まれており、買って袋を破かなければ中身にどんなカードが入っているかはわからない。したがって同じ種類のカードがダブることも珍しくなく、ダブったカードは友達と交換し合ってコンプリートを目指す。要は、トレーディングカードの走りのようなものだった。 時折、まだテレビで放送されていない怪人が、カードで出てくることも。 「なんだぁ、これは? まだ出てきていないヤツだぞ!」と興奮しながら、友達と見せ合ったこともあった。ビデオなど一般家庭にはない時代、カードを見ながら仮面ライダーの放送を振り返り、語り合うのが常だった。 このカードが当時の視聴者層(おもに少年)に爆発的な人気を呼び、社会現象になるほどのヒットとなった。どのぐらいのヒットかというと、1972年2月には1日100万袋を越え、15カ月間で6億2000万袋に達したという。平均すると当時の少年1人あたり、85袋購入した計算になるそうだ。