ウェルネスメンター・吉川めいが考える“ヨガ”とは? 「不安なときに必要で、人を救ってくれるもの」
自分を救ってくれたメソッドをたくさんの人に伝えたい
――お話に出ましたが、吉川さんは男の子2人の母でもあります。 吉川 そうですね。少しパーソナルライフの話をさせていただくと、私は2017年に次男を出産していますが、その翌年に夫を事故で亡くしているんです。それも自分の人生のすごく大きな転機になりました。私にとって意味があるものとは何か、これから先、どう生きたいか、どう働きたいか…自分自身の髄にあるものに戻り、問い直す期間でした。どう仕事復帰していいかもわからないというタイミングで、コロナ禍に突入してしまって。 ――子育てやご主人を亡くした哀しみのなか、コロナが重なった――。 吉川 でも、そのコロナがきっかけで「伝えなきゃ」という燃え上がるような気持ちがまた沸き起こってきた。だから、みなさんは「オンラインをやってくれてありがとう。救われました」とおっしゃるんですが、実は私も救われていました。 ――オンラインクラスの実現に奔走されていた裏には、そんな出来事や思いがあったのですね。 吉川 コロナをきっかけに仕事やお金を失い、不安感や不確実性に直面した人、大切な人を失い喪失感や孤独感に襲われた人もたくさんいたと思います。私も、そのすべてを体験しているからこそ、私を救ってくれた考え方、呼吸法、背骨の動かし方…自分で実践してきた〝本物〞だけを伝えることができるという確信がありました。その伝えたいことを、みなさんのライフスタイルにフィットするように企画を作り直していくなかで、「書く瞑想」というプログラムが生まれました。
40分間の「書く瞑想」で新たな視点に出会える理由
――マインドフルネスの手段として「ジャーナリング」が注目されていますが、「書く瞑想」もその手法を取り入れたものですよね。 吉川 私がヨガを始めたのは2001年、21歳のときですが、実はジャーナリングは15歳のときに始めています。ペンと紙を使って、心のなかでごちゃごちゃ、モヤモヤしているものをアウトプットして、どうにか整理したい。自覚意識を持って、心を見直すことを続けていました。その習慣にヨガが追加されたので、ヨガマットとペンとノートが、ずっと私の軸を整えるツールであり続けているんです。 ――ご自身で実践してこられたジャーナリングの習慣が、「書く瞑想」のベースになっているのですね。 吉川 先生に習ったらできるヨガや瞑想、特別な場所に行ったら得られる体験といったものから、「自分軸」に沿ったものへと逆転させたかったんです。「わからないから教えて」というのを続けると、それなしでは物事を進められない「依存」状態になってしまう。そうしたセルフメンテナンスから一歩進んで、自分に問いかけ、考えること、そして自分自身で選択して生きることの大切さをお伝えしていきたいと。 ――吉川さん考案の「書く瞑想MAE Y method」とは具体的にどのような手順で行うのでしょうか。 吉川 大きな特徴は「プロンプト」と呼ばれる3つの問いを、毎回のテーマに沿って私のほうからお出しする点にあります。まず、問いに沿って客観的に現状を可視化したあとに、ガイデッドメディテーションを行い、ふだんの意識状態や思考パターンからいったん離れるという体験ができます。そして3つめのプロンプトで、新しい視点や意識状態での発想を書き記して、自己確認するというプロセスを踏んでいきます。時間は40分と短いのですが、体系化されたメソッドなのでプログラム内で必ず新たな視点にたどりつけるんです。 ――意外な自分に出会えそうで、ちょっとワクワクしますね。 吉川 実際、参加した方からは「自分のこんな視点があったんだ」とか「世の中ってこういう見方もあるんだ」など、はっとするような気づきがあったという声をたくさんいただいています。