元バイク屋営業が乗る! Benelliのアドベンチャー「TRK502X」は“優しい力持ち”だった
気にいなった点といえば、ブレーキの利きが少し甘いと感じたことだろうか。カーブの際に使う分にはちょうどいいのだが、急制動すると車重もあってか制動距離が若干長かった印象。もう一点は、6000回転付近になると一気に微細振動が大きくなるところ。その回転域で3分ほど走っただけでも、ステップから伝わる振動で足が痺れてきた。ツーリング時には4000~5000回転で乗るのが個人的にはオススメだ。 最初は500ccと聞いて「日本の免許制度的に、どうせ乗るならもっと大排気量のモデルを求める人が多そうだな・・・」などと思ったものだが、実際に乗ってみるとそのような気持ちは一切無くなっていた。TRK502Xは“500ccだから”こそ味わえる豊かなトルク感と優しい乗り味が魅力なのだ。パワーを持て余すこともなく、スロットル操作にもそこまで気を使わなくていいため、ストップ&ゴーが多い日本の公道に最適な特性だと感じる。 元バイク屋営業として、仮にTRK502Xを販売するのであれば「ゆったりと気楽にアドベンチャーバイクを楽しみたい人」に向けてオススメするだろう。250ccではパワーに不安が残る、かといって大排気量すぎるのも扱いづらそうで怖い、という人にはピッタリの車両ではないか。車体は大きいものの、一度乗ってしまえば快適で安心感のあるツーリングを提供してくれるはずだ。 ベネリが贈るTRK502Xは、力強くも優しいフレンドリーなアドベンチャーだった。もし同カテゴリーで車両の購入を検討している方がいたら、是非TRK502Xを候補に加えていただきたい。
Benelli TRK502X 詳細
全長×全幅×全高:2200mm×915mm×1480mm ホイールベース:1505mm シート高:830mm (ローシート仕様) 車両整備重量:235kg エンジン種類:水冷4ストローク2気筒 DOHC8バルブ 総排気量:500cc 内径×行程/圧縮比:Φ69.0×66.8/11.5:1 最高出力:35kw(47PS)/8500rpm 最大トルク:46Nm/6000rpm Frタイヤサイズ、ブレーキ形式/径:110/80R-19 油圧ダブルデイスク/320mmABS Rrタイヤサイズ、ブレーキ形式/径:150/70R-17 油圧デイスク/260mmABS 燃料タンク容量:20L 燃費(WMTCモード):24.3km/L 本体価格:¥968,000(税込)
瀧村 和也