「55歳で大会デビュー」の57歳が披露したビキニ全国3位の“メリハリボディ” 『プランニングダイエット』で代謝UP
「自分の人生を振り返ったときにやらなかったことを後悔するのではなく、挑戦してよかったと思える生き方がしたい。そう思って55歳の歳から大会に出場しています」 【写真】長谷川洋子さんの絞り上げた筋肉美 2024年12月21日(土)と22日(日)、ゴールドジム主催のボディコンテスト『マッスルゲート』の全国頂点戦、『ゴールドジムジャパンカップ』が行われた。ビキニフィットネス部門35歳以上160cm以下級で3位となった長谷川洋子(はせがわ・ようこ/57)さんがステージに立つまでの背景を追った。
「トレーニングを始めたのは50歳を超えてからです。最初は週に1日くらいでゆるゆると続けていました。徐々にトレーニングの楽しさに目覚め週に4、5日通い始めたころ、フィジーク選手の友人から大会への出場を勧められました」 趣味でやっていることだから……と長谷川さんは断ったが、誘いはほぼ毎日2年間続いた。大会は自分とは程遠い世界で、関わるとしても観戦するくらいであるという考えがあり、自身が参加する勇気は持てなかったという。だが、熱心な勧誘を受けるうちに次第に「あのときやっておけばよかった」という後悔を残すくらいなら一度きりの人生、挑戦してみようと決心に至った。 「大会出場が決まったことで、トレーニングの試行錯誤や熱意がさらに高まりました。もともとAZUSAさん(日本のビキニ競技のトップで活躍する選手)にトレーニングを見てもらっていたのですが、ポージングも教えてくださいとお願いしました。また、グランドチャンピオンシップスという日本最高峰のビキニフィットネスのステージも観戦し、理想の自分に近づくための一歩を踏み出しました」 長谷川さんの得意分野は“絞り”。1日に食べる食材や量をあらかじめ先に全て決める「プランニングダイエット」をしている。 「辛い思いで減量をするのではなく、好きな食事を楽しみながら痩せられています。ラム肉や牛赤身、タラや初鰹といったその日食べたいものを食事管理アプリに先に入力します。あとは何が食べられるのかが明確になり、食べたものを記入するレコーディングダイエットよりもさらに安心して食事できるようになりました」 また、減量期のトレーニングは分割法をやめ、全身法で毎日というメニューを組んでいる。 「全身の筋肉をくまなく動かし運動量を多くすることで代謝が上がり、さらに脂肪の落ちがよくなります」 プランニングダイエットと全身法は、大会出場者だけでなく、痩身目的でジムに通う人達にも試してほしいと長谷川さんは語る。 「今後は、自分のビキニというものを確立していきたいです。100%の自信を持ってステージに立てるように、さらに知識を深めて所作も洗練していきたい。来シーズンは『オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス』で今年以上の戦績を収めたいです」 日常ではまず目にしない肉体美を作り上げスポットライトを浴びる競技者たちを、私たちは自分からかけ離れた存在として見ることが多い。しかし、その華やかな笑顔の裏は迷いながら地道な試行錯誤と挑戦を続ける1人のトレーニーだ。もし、あなたがほんの少しでも興味を持ったのなら、彼ら彼女らの横に立つ日も近いかもしれない。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:にしかわ花 撮影:中島康介