「ウクライナ、ロシア西部クルスク州の占領地の40%失った」
ウクライナ軍総参謀部の消息筋
ドナルド・トランプ次期米大統領の就任を控え、ウクライナとロシアの戦闘が激化する中、ウクライナが占領したロシア西部クルスク州の40%以上を失ったというウクライナ軍消息筋の発言が出た。 ロイター通信は23日(現地時間)、ウクライナ軍総参謀部高官である消息筋の話として、このように報じた。同消息筋は8月、ウクライナが初めてロシア本土のクルスク州を攻撃した後、ロシアが約5万9000人の兵力をクルスク州に配置したと述べたことがある。さらに「我々は最大1376平方キロメートルの領土を制圧したが、今はそれよりさらに小さい領土を掌握している。敵が反撃を強めている」とし、「今や私たちはおよそ800平方キロメートルを制圧している。我々は軍事的に適切な期間までこの領土を維持する」と同通信に語った。 ウクライナは、ロシアのウクライナ東部地域への攻撃を阻止し、今後の交渉力を高めるため、ロシア本土への攻撃を強行した。一方、ロシアもこれに対抗してクルスク州で反撃に乗り出しており、米国防総省は7日、ロシアがこの地域の奪還に向け北朝鮮軍を含め5万人ほどの兵力を集結させたと明らかにした。ウクライナは、米国がロシア本土に対する長距離ミサイル発射を許可した後の20日(現地時間)、英国から供与された空対地巡航ミサイル「ストームシャドー」をクルスク州に発射するなど、同地域の死守に乗り出している。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日、首都キーウで開かれた食糧安保に関する第3回国際会議で、「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって最も重要なのは、クルスク州から我々を追い出すことだ」としたうえで、「新型ミサイルを使った誇示的な攻撃は、単なる見せかけではない。(ロシア軍が)来年1月20日までに我々を追い出そうとしていることを確信している」と述べた。1月20日にはドナルド・トランプ次期大統領の大統領就任式が予定されており、英紙デイリー・テレグラフはプーチン大統領がトランプ大統領の就任式前までにクルスク州の奪還を目指していると報道した。ウクライナがストームシャドーを発射した翌日の21日、ロシアはウクライナ中部のドニプロに向けて新型極超音速中距離弾道ミサイル(IRBM)「オレシュニク」の発射実験を行った。プーチン大統領は22日、国防官僚やミサイル開発者らに会い、「戦闘状況を含め、このような発射実験を続ける」とし、大量生産に入ることも予告した。 北大西洋条約機構(NATO)も第2次トランプ政権を迎える準備に入った。NATOはこの日声明を出し、NATOのマルク・ルッテ事務総長とトランプ次期大統領が22日、米国フロリダ州で会談を行ったと発表した。ファラ・ダクララ報道官は、彼らが「同盟が直面したグローバル安全保障問題」を話し合ったと明らかにしたが、詳しい内容については説明しなかった。ルッテ事務総長はトランプ氏の当選後も、ウクライナに対するNATOの堅固な支援と支持を約束してきた。一方、トランプ次期大統領は選挙運動当時からウクライナへの支援に懐疑的な反応を示し、急いで戦争を終結させるという立場を示してきた。 ベルリン/チャン・イェジ特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )