阪神・大山悠輔に4年総額16億円規模 FA権行使へ代理人と契約、球団は慰留へ全力
阪神が国内フリーエージェント(FA)権を今季取得した大山悠輔内野手(29)に対し、4年総額16億円規模の大型条件で残留交渉をしていることが4日、明らかになった。日本シリーズが終了し、FA権を行使できる手続き期間が5日にスタートする。大山は代理人と契約したことが判明。球団は宣言残留も認める方針で、流出阻止へ、誠意を尽くす。 【写真】女性ファンとハイタッチする大山悠輔 いよいよ、動き出す。虎の主砲、大山がFA市場に出るのか、それとも-。Xデーを目前に阪神が最大限の誠意を尽くして慰留に努めていることが判明した。4年総額16億円規模の条件で交渉していることが判明した。 大山の今季年俸は推定2億8000万円。日本一に輝いた昨オフ、球団からの複数年契約の提示に「いいお話をいただいた」と感謝しながらも断り、1億5000万円増の単年を選択。今後のFA権行使を想定していたことは想像に難くない。 今季は130試合に出場し、打率・259、14本塁打、68打点。膝に古傷を抱えていることもあり2軍降格も味わったが、豊富な練習量や手を抜かないプレースタイルは若手の見本になり、球団側も高評価。来季のV奪回に欠かせない存在となっているからこそ、破格の待遇を用意し粘り強く交渉にあたっている。 球団関係者によると、大山はFA権行使を想定し、代理人と契約したことが明らかになった。代理人と球団はすでに残留交渉を複数回行っているとみられ、大山も球団の気持ちを理解しているという。一方で関東球団への志向も強いもよう。今年4月にFA権を取得した際に「たくさんの方に感謝したい」と話していた。この日は練習のため甲子園のクラブハウスに姿を見せたが、コメントを残すことはなかった。FA権を行使するためには13日までには球団側に伝えなければならず、熟考しているとみられる。 大山はAランクになるとみられるが、仮にFA市場に出れば争奪戦になる可能性が高い。球団はマネーゲームに参戦することは避けるが、FA権を行使した上で残留することを認める方針。15年1月には鳥谷敬が海外FA権を行使した上で5年総額20億円でサイン。米大リーグに挑戦したいという鳥谷の思いを配慮し、春季キャンプイン直前で契約更改するという流れになった。今回も他球団の評価も聞きたいという大山の気持ちを最優先にし、鳥谷級の条件を提示した。 藤川新監督は就任1年目の優勝を目指すと公言している。大山が他球団に流出すればチーム編成が大きく揺らぐことになる。秋季キャンプでは外野手の井上が一塁の練習を開始している。新外国人の獲得もクリーンアップを任せることができる一塁手が基本線になる。まずは大型契約で大山の心のハリを動かす。FA市場の目玉にさせない。