美しい“青”が魅力。真夏に出回る「ブルーの花」のブーケ&アレンジメント
藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい!
「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
8月の花「真夏のブルー」
藤野幸信/Yukinobu Fujino 広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。
真夏のブルーで爽涼の贈り花を。魅力的なブルーが勢揃い!
今回はこの暑さに一服の涼をもたらすブルーの花をご紹介します。真夏にも出回るブルーの花、意外に種類があるんですよ。 まずご紹介するのは、ふっくらした花形がかわいらしいキキョウ。秋の七草に数えられることから、秋の花のイメージがありますが、庭では7~8月に咲くことが多く、花期からいえば夏の花なんですね。切り花でも真夏に出回るので、暑い時期にキキョウの透明感ある青紫が利用できるのはありがたいことです。 つぎにご紹介したいのが美しい小花を咲かせるラペイロージアです。アヤメ科の花で、アップで見るとたしかにアヤメの風情が感じられる気も……。こういう野趣に富んだ珍しい花を生産してくださるのは長野県上伊那郡にある「片桐花卉園」さん。毎年、ラペイロージアが届くのを心待ちにしています。 そして、真夏のブールの中でもとくに青みが濃く鮮やかなのがリンドウです。リンドウは6月には出荷が始まり、真夏の間も途切れずに入手できるので、夏の贈り花でブルーが欲しいときに重宝しています。そんなリンドウを栽培してくれるのが、長野県上伊那郡の「スカイブルー・セト」さん。育種にも力を注いでいて、毎年新しい品種をデビューさせてくれます。花色の美しさだけでなく、珍しいスプレー咲きもあり、その繊細で素朴な味わいのある姿に思わずひと目惚れ!今年も新しいリンドウを贈り花に積極的に使い、送られた方に驚きを届けたいと思っています。 真夏のブルー、まだまだありますよ。庭では花期が終わっているクレマチスも、切り花では秋まで出荷が続きます。また、ルリタマアザミやエリンジウムのようにメタリックな雰囲気のブルーも魅力的で、贈り花の表情に変化をもたらしてくれます。 私自身がブルーの花が大好きでよくSNSにアップしていたこともあり、お客さまから「ブルーの花で」と季節を問わずオーダーをいただくことが多くあります。とくに夏の間はお店にはブルーの花が豊富に揃っているので、仕事をしながらブルーの花がもたらす涼感に浸っています。 なお、暑い時期の贈り花では、フローラルフォーム(オアシス)を利用したアレンジのほうがブーケより水切れの心配が少なくおすすめです。