“悪夢の一打”もひきずらない 松井琳空海と友人キャディの関係
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 2日目(4日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70) 【画像】注目アマが兄弟タッグでツアーデビュー ちょっぴり浮かれていたことは認める。濃霧の影響で開始時間が延びに延び、6時間半の遅延ののちに松井琳空海(第一学院高)は第2ラウンドをスタートした。フラストレーションを発散するかのように開始1番、3番(パー5)でバーディ。ようやく運が向いてきたと思ったのに、まさか…。 4番(パー3)のティショットがまさかの大ダフり。理解する間もなく、ボールはそのまま池に吸い込まれた。「夢を見ているような。どうやったら時を戻せるだろうって」と流れを断ち切る痛恨のダブルボギー。悪夢の一打に、イライラが募った。 気持ちを分かち合える友人が隣にいてくれなかったら、ズルズルとスコアを落としていたかもしれない。キャディを務めるのは1歳下で仲の良いゴルフ友達。「僕と気が似てるんです。怒りやすい部分だったり、うれしいときとか、何を食べたいとか。気が合う」と大舞台のパートナーをお願いした。“池ポチャ”を打った後も、 キ)なにしとん? 松)いまの俺が打ったの?(笑) 互いに遠慮のない言葉がぽろぽろ。その後もスコアを落とせばともにイライラし、バーディが来ればともに喜んだ。普段通りの冗談を言い合っているうちに、気持ちも晴れた。
落ち着かないスタートだったが、終わってみれば5バーディ、2ボギー1ダブルボギー「69」。1つ伸ばして通算3アンダーで決勝ラウンドを迎える。2日目を終えて暫定首位に立つ中野麟太朗(早大)とは4打差だ。「調子はすごく良い。麟太朗くんはすごい上手いですけど、勝つ気持ちで」と3歳上で同じナショナルチームに所属する先輩の背中を追う。 優勝者に来年の「マスターズ」と「全英オープン」の出場権を与える大会への挑戦は3年連続3回目。「そこ(マスターズ)しか見ていないです。誰よりも頑張って準備してきたので、負けるわけにはいかない」。立ち込める霧の先に夢のオーガスタがある。(静岡県御殿場市/合田拓斗)