アナウンスミス、行程表忘れ…憧れの旅行会社を2年で退職した女性が気づいた違和感…発見が遅れがちな女性のADHDの兆候とは
大人のADHDの不注意優位型の特性
以前からGさんは、自分がどこか他の人と違い、やたらとミスが多いことを気にしていたようです。 そして、ネットでいろいろと調べていくうちに「ADHD」にたどりつき、特に不注意優位型の特性は自分のことがそのまま書いてあると思ったそうです。 大人のADHDの不注意優位型の特性には、特に次のようなものがあります。 ・忘れっぽい(ちょっとした用事を記憶しておくのが苦手)。 ・注意の持続が難しく、気が散りやすい(自分が気になっていることに関心が向く)。 ・ときどき、うわの空でぼんやりしてしまう。 ・1つひとつの作業がきちんと終わらない。 ・忘れ物やなくし物が多いので、捜している時間が長い。 不注意優位型の特性は、成人になっても持続することが多く、失敗ばかりの自分に嫌悪感を抱いて抑うつ状態になることもあります。 Gさんは、抑うつ状態になっているような印象はありませんでしたが、きちんと診断を受けてはっきりさせたいと筆者のもとに相談に訪れたこともあり、発達障害の専門医を紹介しました。 医療機関を受診後、不注意優位型のグレーゾーンだったということですが、不注意の特性を和らげる薬(コンサータ)を処方され、それがよく効いており、受診して良かったと話していました。 Gさんのように発達障害のグレーゾーンであっても、状況次第では薬が処方されます。 文/舟木彩乃 写真/Shutterstock
---------- 舟木彩乃(ふなき あやの) ストレスマネジメント専門家。公認心理師・精神保健福祉士。博士(ヒューマン・ケア科学/筑波大学大学院博士課程修了)。博士論文の研究テーマは「国会議員秘書のストレスに関する研究」。メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。文理シナジー学会監事。企業広報ネットワーク理事。AIカウンセリング「ストレスマネジメント支援システム」発明(特許取得済み)。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁や地方自治体のメンタルヘルス対策に携わる。Yahoo!ニュースエキスパートオーサーとして「職場の心理学」をテーマにした記事、コメントを発信中。著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』(小学館新書)、『なんとかなると思えるレッスン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等がある。X(エックス)にて職場のメンタルヘルスなどをテーマとした勉強会(不定期)やイベント、集団セラピーなどをご案内しています。ご興味ある方はフォローお待ちしています。https://twitter.com/funakiayano ----------
舟木彩乃