22日の会見に登壇した新大会の発案者でトーナメントディレクターを務める元デ杯監督の岩渕聡氏（左）と大会特別協賛の株式会社ルネサンス代表取締役社長執行役員の岡本利治氏（右）。写真：スマッシュ編集部

　世界へと通じる道筋を用意したい。そんな熱い思いから生まれた大会が今秋幕を開けることになった。ITF（国際テニス連盟）ワールドテニスツアー男子１万5000ドル大会「ルネサンス国際オープンテニス」（10月20日～27日／福島県・ルネサンス棚倉／ハードコート）である。 【画像】目指せ、世界の頂点！全仏オープンに出場した日本人男子選手たち 　ITFツアーは国際テニス大会のカテゴリーの中で、ATPツアーやATPチャレンジャーの下部ツアーに該当するもので、特に賞金総額１万5000ドル大会は最も低いグレード。それゆえに比較的エントリーのハードルが低く、これから世界を目指す新鋭たちの登竜門的位置づけとなっている。 「ルネサンス国際オープンテニス」は、デビスカップ日本代表監督を務めた岩渕聡氏がトーナメントディレクターとして立ち上げる大会で、その岩渕氏の現役時代からの所属先である株式会社ルネサンスが、岩渕氏の思いに賛同して大会をスポンサーとしてサポートすることになった。 　 　７月22日に都内で開かれたメディアカンファレンスに出席した岩渕氏は、「私も高校を卒業した18歳の時に参戦した当時サテライトと呼ばれていた大会で初めてポイントを取り、それが（世界へ向けた）スタート地点になりました。そういうチャンスを一人でも多くの選手に与えられるような大会ができたらと思いました」と大会を立ち上げた理由を語る。 　本大会には14～18歳を対象とした「ワイルドカード（主催者推薦）選手権」も用意される。これについて岩渕氏は「ポイントのない選手でも出られるようにチャンスを与えて『世界につながっている大会に自分も出る』という気持ちでテニスをしてもらうことが大事だと考えています」と実施に向けた意義を語る。 　世界ツアーの「アジア・スイング」が始まる秋シーズンは、日本国内でも「ジャパンオープン」（ATP500）をはじめ「東レパンパシフィックオープン」（WTA500）といったビッグイベントが開催される１年で最もテニスが盛り上がる時期。そうしたビッグゲームに通じている国際大会が、同じ時期に福島で元気な産声を上げる。 取材・文●小松崎弘（スマッシュ編集部）