【1970年代国産GTカーに思いを馳せて】光岡自動車からM55の市販バージョンが登場!
ベース車はホンダ・シビックLXの6速MT
光岡自動車は11月21日、昨年コンセプトモデルを公開した『M55』の市販バージョンを発表、2025年生産分『M55ゼロエディション』の申し込みを22日より受け付ける。価格は808万5000円で、6速MTのワングレード、レジェンダリーグレーメタリック1色展開。生産台数は100台のみとなる。 【写真】開発者たちの純粋な想いが詰まった光岡自動車『M55ゼロエディション』 (79枚) ベース車は『ホンダ・シビックLX』の6速MT(先般行われた改良前モデル)で、この100台は抽選販売。申込期間は11月22日から2025年1月19日までだが、応募者数が350名に達した場合はその時点で終了となる。抽選発表は1月下旬。これも早めに締め切った場合には、早まる可能性があるという。 抽選販売に参加するためには、全国の光岡自動車取扱拠点で専用の申込用紙に記入し、申込金55万円を支払う必要がある。抽選に外れた場合、55万円は返金される。電話やFAX、メールでの受け付けはなく、来店し対面での受付に限られる。納車は2025年5月から開始され、年末までに完納する予定だ。 ホンダからベース車両を供給してもらう条件として、ナンバーをつけた状態で販売店を通じて光岡に納車する必要があった。従って一度登録をしたうえでM55に生まれ変わり、改めて中古新規登録となるため、初回車検は新車の3年ではなく、2年になる。 2026年以降の生産分については、RSはもちろん、CVTやハイブリッドも含めて検討しているという。
光岡と同じ55年の人生を歩んだ世代がターゲット
M55は、光岡自動車創業55周年を記念し企画されたものだ。そこで光岡と同じ55年の人生を歩んだ世代をメインターゲットに据え、感受性豊かな少年少女時代に体験した様々な出来事や、1970年代の時代感覚をベースにデザインされた。 企画自体は2021年の秋にスタート。SUVの『バディ』がヒットし、ビュート・シリーズの4代目『ビュート・ストーリー』のデビューが決まった頃で、「その次の商品企画をどうするか思い悩んでいた」と話すのは、光岡自動車執行役員ミツオカ事業部営業企画本部長の渡部稔さん(1960年代生まれ)だ。 生産現場では日々バディの増産対応に追われ、先のことよりいまをどう乗り切るかに注力。その状況を目の当たりにして、「次の商品はいつ出せるんだ、次は何を出したらいいんだ、バディを超えるものはもう生み出せないのかもしれない」と思い悩んでいた。 また、街を走るクルマを眺めると、「圧倒的なSUVの多さと絶望的ともいえるセダンの少なさに時代の流れを感じ、次もSUVなのかと悩んでもいた」という。そこでふと疑問が湧いた。このSUVは、子育てを終えた夫婦ふたりで使う分には持て余してしまうのではないか。子育ても終わり、仕事も家庭も全力投球で歩んできた世代には、この先の人生、もっと気分を上げて楽しめるクルマがあってもいいんじゃないか。「SUVではない何か別のテーマのワクワクを、この世代は望んでいるのではないか」という考えが根底にあったそうだ。