背中で歩行介助も...認知症の柴犬「しの」と介護する猫「くぅ」に訪れた最期の別れ
柴犬のしのに認知症の兆候が現れはじめたところ、しのが大好きな猫のくぅは24時間体制で付きっきりお世話。よろけるしのを倒れないよう先回りして支えたり、顔が枕から落ちているときはそっと鼻で押し上げて直してあげます。 【写真】動物写真家・岩合光昭さんが撮る臨場感たっぷりの猫 そんなふたりの様子を飼い主の晴さんがInstagramでUPすると、瞬く間に人気になりました。本稿では、キラリと光るくぅの介護技と、しのとの別れを紹介します。 ※本稿は、晴著『くぅとしの 認知症の犬しのと介護猫くぅ』(辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
次第に上達した「くぅの介護の腕前」
しのの認知症発症と同時にはじまったくぅの介護。最初はしののペースに合わせて歩いたり止まったり、自分の背中にしののアゴをのせる、といったものでした。 それがしのの認知症と老化が進むにつれて、介護の技も上達。寄りかかってくるしのを全身で支えながら歩いたり、止まって動けなくなったしのを、シッポや頭で進行方向へ誘導したり。また、ひとりで歩けそうな時は少しはなれてそっと見守る......。 しのを寝かしつけるのもくぅでした。しのを丁寧に毛づくろいして、おやすみのチュッ。くぅは自分がしのを守らなきゃ、助けなきゃ、と思っているようでした。
そんなくぅの愛情とぬくもりは、ちゃんとしのにも伝わっていました。くぅがそばにいると安心した表情になり、くぅが添い寝すると、ひとりの時よりも長くぐっすり眠ることができました。 まるで人間さながらの手厚い介護でしのをサポート。たまに愛情表現が激しすぎてしのを困らせることもあるけど、匠の技でいつも支えてくれるくぅなのでした。
しののご飯を横取りに
認知症を発症してから首を下にかたむけての飲食も難しくなったので、器の位置を高くして設置。それでも次第に器の場所も分からなくなっていったので、スプーンでの食事になりました。水も、口元まで器を近づけたらペロペロ飲んでいましたが、それもできなくなったので、スプーンで飲ませるように。