ちょっとした会話でウケる人・ウケない人の違い 雑談でうっかり「そもそも論」していませんか?
■話を「少しでも短く」まとめる 話すのに慣れてきたら、次は「話す時間」を意識しましょう。ポイントは「できる限り短くまとめる」ことです。 「おはようございます」 朝のテレビ番組で司会者がにこやかにそうあいさつする時間は、いったい何秒ぐらいだと思いますか? 実は、1秒もかかりません。「9文字で約0.8秒」です。テレビ番組は、視聴者を飽きさせないようにテンポよく進行させる必要があるため、秒単位で動いています。
もし5秒でもズレたら大ごとです。次のコーナーで5秒縮めるように調整することで、バランスをとる必要が出てきます。 テレビ番組の台本は僕のような放送作家が書くわけですが、駆け出しの頃はいつも「文章が長い! 原稿は2行以上書くなっ!」と、先輩に怒られていました。 プロのアナウンサーさんやタレントさんは、台本をパッと見ただけでスラスラよどみなく話せますが、2行以上のセリフだとそうはいかないからです。 テレビの原稿は、上は絵コンテのスペース、下がナレーションやセリフの台本です。よほど重厚なドキュメンタリー番組のナレーションでもない限り、人が会話するセリフは「2行が限界」というのが業界の常識です。
テレビの原稿の1行は15文字なので、2行なら30文字です。 広告や雑誌などのキャッチコピーも、30字前後が適量とされています。 短歌も5・7・5・7・7で合計31文字です。 テレビでは、30字のセリフを、3~5秒ほどでしゃべります。そのボリューム感とスピード感が、ワンフレーズとして収まりがいいからです。 話が短く簡潔になるほど、スッと伝わりやすくなるので、僕が若い頃は「1行でも1秒でも短く書け」とよく言われました。
■「5秒で話すクセ」をつけよう! テレビのように、「5秒ワンフレーズ」でできるだけ短く簡潔に話すことは、会議で発言したり、プレゼンで話したりするときにも役に立ちます。 もちろん、早口で話せということではありませんが、「何が・どうした」という骨子となる主語と述語をベースに話を肉付けすると、話が簡潔にまとまりやすくなります。 そうすると、「この人の話はスッと耳に入ってきて、わかりやすい。安心して聞けるな」という印象になります。