あれから1年 時間は止まったまま 癒えない悲しみ抱え遺族は…
テレビ金沢NEWS
能登半島地震から1年となった元日は、地震や豪雨で亡くなった人を悼み、輪島市内で追悼式が行われました。そこには、癒えない悲しみを抱えながら次の一歩を模索する遺族の姿もありました。
石川県内で498人が命を落とした能登半島地震。地震が発生した午後4時10分。 「黙とう」 輪島市内では遺族や関係者らが出席し、地震や豪雨の犠牲者を悼む追悼式が開かれました。 石川県・馳 浩 知事: 「復興の先にある新たな能登の未来を築く、という強い決意を新たにしたところであり、全力を傾注し、復興への道を切り開いていくことをここにお誓い申し上げたいと思います」 石破首相は… 石破 茂 首相: 「生活となりわいの再建、被災地の創造的復興に政府一丸となって取り組んでまいります。世界一の防災大国にすべく力を尽くしてまいりますことを、ここに固くお約束をいたします」 追悼式には、多くの遺族も出席しました。
穴水町で起きた土砂崩れで家族全員を失った寺本直之さん。 寺本 直之 さん(去年1月8日): 「みんな生きてて欲しいんです。なんで1日に、こんな地震でこんなことされなければならんかって」 土砂に飲み込まれた妻の実家。親族と共に妻と4人の子供たちが遺体で見つかりました。 ことし元日、土砂崩れがあった現場を訪れました。 寺本 直之 さん: 「これからは亡くなった人のために伝えていく。ちょっとでも何か他のところに手助けができるのであれば、していきたいなって思います」
去年1月。斎場で出会った金沢市の角田貴仁さん。 角田 貴仁 さん: 「助けたかったんですけどね」 珠洲市の実家に帰省中、妻・裕美さんとひとり息子の啓徳くんを亡くしました。家屋の下で啓徳くんは、音を立てて居場所を伝えたといいます。 角田 貴仁 さん: 「必死でたたいて私に教えてくれて本当に立派な息子でした」 あれから1年。毎週、仏前には二人に似合う色の花を供えます。 角田 貴仁 さん: 「梁と畳に挟まれて視線の先に母親がいたものが、啓徳が見た最後の景色ですからね。それを思うとどんな思いやったかなと」 しかし… 角田 貴仁 さん: 「僕一度も手を合わしたことがないんですよ、実は。合掌したことがない。受け入れてないんでしょうね。認めたくないんでしょうね、どこかでこの状態を」 貴仁さんの時間は止まったまま。日々二人に思いをはせます。