死亡率10%「インフルエンザ脳症」5歳以下の子どもが発症するケース多く 後遺症が残るなど重症化リスクが高い 気付くポイントは「視線が合わない」「いつもと反応が違う」医師に聞いた
インフルエンザが流行しています。先週の長野県内の定点当たりの届け出数は47.92人で前の週からさらに増えました。学校などが始まりさらに感染が拡大すると、子どもを中心に重症化リスクが高い「インフルエンザ脳症」も増加する恐れがあり、注意が必要です。 先週1週間の県内の定点当たりのインフルエンザ患者の届け出数は、47.92人で、前の週から0.18人増えました。 保健所別では、北信92.25人、木曽91人、飯田89.17人などとなっています。 県は、年末年始で休んでいた医療機関が多いため、実際の患者数はもっと多い可能性があるとしています。 学校などが始まりさらに感染拡大が続くと、子どもを中心に増える恐れがあるのが、「インフルエンザ脳症」です。 5歳以下の子どもが発症するケースが多く、後遺症が残るなど重症化リスクが高いとされています。 いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長: 「お子さんは本当に1日2日で急変してしまうことがありますので、主に5歳以下の乳幼児にインフルエンザ脳症は起こるんですけども、後遺症が残ってしまう場合もありますので、最も嫌な症状であると言えます」 「インフルエンザ脳症」になると、どのような症状に陥るのでしょうか。 いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長: 「発熱後1日以内にけいれんと意識障害が出現して、全身の臓器障害が出てくることがある。続いてショックや心肺停止となることがあり得る。約10%ほどが死亡に至ることがあると言われる」
インフルエンザ脳症は、国内で毎年100例以上の届け出があり、死亡例も10例前後あります。 県によりますと、コロナ禍前は、県内でも毎年1、2例ほど確認され、2019年には小学生2人が「脳症」で死亡しています。 予防策はあるのでしょうか? いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長: 「インフルエンザワクチンが数少ないインフルエンザ脳症の予防と言われている。ワクチン打ったら必ずならないとは言えませんけど、かなり確立を下げることができると思う。2回接種していない場合には、ぜひ接種を検討していただいてもいいのかなと」 伊藤院長によりますと、「インフルエンザ脳症」の気付くポイントは、「視線が合わない」「いつもと反応が違う」「異常に怖がる」「モノの区別があやふやで食べ物でないものを食べてしまう」「幻覚が見えている様子」などです。 全てがそのまま「インフルエンザ脳症」というわけではありませんが、初期症状の可能性があるので、注意して観察することが必要だということです。
長野放送