「えっ、路線図にない区間を走るの!?」JR武蔵野線の“裏ルート”武蔵野貨物線を走る 魅惑の「旅客列車」とは
貨物線を通って一気に鎌倉まで走る特急「鎌倉」
JR武蔵野線では10月から11月にかけて、埼玉県の吉川美南駅を出発し、鎌倉駅まで向かう臨時特急「鎌倉」が運行されています。 【画像】路線図にない区間を走る特急!? 秋に走る「臨時列車」を写真で見る(13枚) 武蔵野線では定期列車の運行はなく、特急「鎌倉」は臨時列車として土日を中心に走行しています。 しかし、臨時列車としては本数が多く、11月の22、29日には「平日おさんぽ号」として平日の運行も予定されています。
そんな特急「鎌倉」ですが、経路に府中本町駅から鶴見駅の間で貨物線として使用されている「武蔵野南線」が含まれているのが特徴です。 武蔵野線はもともと貨物列車をメインに運行させるために計画されていました。かつては東京を走行する貨物線は東京の中心部にありましたが、これらを郊外に移し、貨物線だった中心部の路線には代わりに旅客列車が走行するようになりました。 現在では武蔵野線の多くの区間で旅客列車が運行していますが、武蔵野南線と呼ばれる区間のみ、貨物線用線として使用されています。 かつては武蔵野南線でも旅客列車を走らせる計画があったようですが、貨物列車の運転への影響など、輸送上の課題が多くあることから、基本的には貨物列車が走行する区間とし、旅客列車は臨時便のみに留まりました。 そんな武蔵野南線を走る特急「鎌倉」は、鎌倉エリアへ観光へ行く観光客にとって、乗り換えなしで行けるため非常に便利な存在となっています。 特急「鎌倉」の反響について、JR東日本の担当者は次のように話しています。 「友人との旅行、ご家族連れのお客さまなど、幅広い層のお客さまにご利用いただいております。また、普段定期列車では運転しない区間を走行していることから、鉄道愛好家のお客さまにもご好評いただいております」 「鎌倉」は観光客だけではなく、鉄道ファンからも人気があります。 鉄道好きの場合は、「鎌倉」として運行している車両も注目ポイントです。
フレッシュひたちで使われていたE653系7両編成で運行
特急「鎌倉」は、かつて常磐線の「フレッシュひたち」として使われていたE653系7両編成によって運転されています。 今まではE257系5両編成が使われていましたが、2024年3月のダイヤ改正でE653系7両編成に変更されました。