メルセデスAMG GTは、モータースポーツでも活躍する本格FRスーパースポーツ【スーパーカークロニクル/118】
メルセデスAMG GT(MERCEDESーAMG GT:2014~2021)
1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、メルセデスAMG GTだ。 【写真はこちら】 ファストバックのスタイルは、ライバルのポルシェ 911を意識したか。スポーツカーらしく前後のオーバーハングは短めだ。(全6枚)
SLS AMGの後継車にあたるAMG GTは、2014年のパリ モーターショーでワールドプレミアされた。サイズ的にはSLS AMGと大差ないが、ドアの開閉はガルウイング式ではなく普通のスイング式となった。車格的にはSLS AMGより少し下に位置する。 ロングノーズ/ショートデッキのファストバックスタイルは、いかにもFRのスポーツクーペらしいものだが、リアにはハッチゲートを備えている。SLS AMGから踏襲されたアルミニウム製のスペースフレームは、わずか231kgという軽量ながら高い強度を実現している。 フロントミッドシップ搭載されたパワーユニットは、ドライサンプ化された4LのV型8気筒DOHCツインターボ。しかもVバンクの内側に排気系とターボを装着する「インサイドホット」方式を採用。デビュー時の上級グレードであるGT Sでは、最高出力が510ps、最大トルクが650Nmという動力性能を発生していた。公称の最高速は310km/h、0→100km/h加速は3.8秒。トランスミッションは7速DCTでトランスアクスル方式を採用し、前後重量配分も47:53を実現していた。 インテリアではV8エンジンをモチーフにした大きなセンターコンソールが特徴的で、航空機のコクピットのような佇まいを見せる。2眼式メーターの中央にインフォメーションディスプレイを備え、メルセデス車らしくインターフェースの視認性や操作性は高かった。 日本では2015年に1580万円からという価格で発売が開始され、2017年には585psを発生するハイパフォーマンスモデルのGT Rやオープンモデルのロードスターが設定された。2018年モデルからは、パナメリカーナグリルを採用して顔つきを一新。2019年にはマイナーチェンジされ、4ドアクーペも追加設定されるなど、AMG GTは進化を続け、2021年に生産終了。2023年には新型が発表された。 また、世界各地のレースでGT3やGT4仕様車が活躍し、F1GPやドイツ ツーリングカー選手権ではセーフティカーとして採用されるなど、モータースポーツの世界でも注目を浴び続けた。
メルセデスAMG GT S 主要諸元
●全長×全幅×全高:4550×1940×1290mm ●ホイールベース:2630mm ●車両重量:1660kg ●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ ●総排気量:3982cc ●最高出力:510ps/6250rpm ●最大トルク:650Nm/1750ー4750rpm ●燃料・タンク容量:プレミアム・75L ●トランスミッション:7速DCT ●駆動方式:トランスアクスル式FR ●タイヤサイズ:前265/35ZR19、後295/30ZR20
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