[山口県]関門海峡沿いもっと楽しく 施設間の回遊性向上へ遊び場やイベント 下関市
新たな社会実験 下関市スタート
関門海峡沿いの観光の魅力向上に取り組んでいる下関市は、観光客らの回遊性や滞在時間を高めるための新たな社会実験をスタートさせた。8月31日には唐戸町のカモンワーフ、あるかぽーとの市立水族館「海響館」と唐戸ターミナル一帯の海岸沿いに木製ベンチやモバイル遊具を設置。10月20日までの期間中、さまざまなイベントも繰り広げながら効果を調査していく。 カイキョーリボーンプロジェクト社会実験の第3弾で、市と同プロジェクト実行委員会が主催。唐戸、あるかぽーとエリアには県内外から多くの観光客が訪れる施設が立ち並ぶが、エリア内での行き来を活発化させようと、「カイキョーソトアソビ2024~あるかぽーとで『ソトアソビ』」と名付けた試みを実施することにした。 海響館出口付近には、自由に動かしたり組み合わせたりして楽しむモバイル遊具を並べ、子どもの遊び場を作るとともに、遊んでいる様子をカモンワーフ側にいる家族連れらに見てもらって足を延ばすきっかけにしたい考え。木製パレットを重ねたベンチは利用者の目の前を他の人が行き交わないよう配置を工夫し、カップルらにゆっくりと海峡の眺めを楽しんでもらう。 31日朝から市職員や関係者が遊具やベンチの設置作業を進め、その最中に早速遊び始める子どもの姿も。宇部市から訪れた男性会社員(42)は3歳の長女が遊具で遊ぶ様子を見ながら「すごくうれしそう。ここでの楽しみが増える」と話した。 このほか、あるかぽーと親水緑地では水鉄砲などで遊べるプレーパークを期間中の週末の正午~午後4時に、ヨガなどのイベントやキャンプ気分を味わえるピクニック、キッチンカーなどの出店はほぼ毎日実施。10月にはアウトドアでのシーフードバーベキュー、9~11月には夜景や歴史を楽しむクルーズを行う。バーベキューとクルーズは要予約で有料。飲食物販も有料。その他は無料だが、一部有料のイベントもある。 あるかぽーと地区では星野リゾート(長野県軽井沢町)のリゾートホテルが来年秋に開業予定。市は昨年2月に「あるかぽーと・唐戸エリアマスタープラン(基本計画)」を策定し、その中で掲げる「日本を代表するウォーターフロントシティ」の実現に向けて社会実験を行っており、夜の景観の魅力向上を目指して大噴水を海峡に放つ試みなどを実施してきた。 観光客だけでなく市民も対象の社会実験。市共創イノベーション課の内田泰敬課長は「観光客と市民それぞれが楽しんでいる姿を互いに見ることによって、エリアの魅力を改めて感じてもらえるはず。ゆっくり歩き回って、楽しい思い出をつくってほしい」と呼びかけた。