大雨で江の川沿いの農地に浸水「夏は干ばつで苦しんだが、11月に水害に遭うとは」 水に浸かった農地、住民ら不安募らす 島根県江津市
2日の大雨で島根県西部を流れる江の川では水位が上昇し、川沿いにある農地の一部が浸水した。降水量の多い出水期ではない時期に増水するのは珍しく、住民らは不安を募らせた。 【水害避けタマネギ栽培】豪雨氾濫起きやすい7月までに収穫 江の川沿岸でタマネギ栽培
「夏は干ばつで苦しんだが、11月に水害に遭うとは思わなかった」。江津市桜江町田津の農地で、タマネギを栽培する小松隆司さん(68)=桜江町川越=は増水で水に浸かった農地を見ながら嘆息した。 江の川左岸の田津地区は低地にあり、ひとたび増水すると浸水被害が起きやすい。2018、20、21年の3度の氾濫でも農作物被害が起きた。小松さんは豪雨で川の氾濫が起きやすい7月までに収穫でき、水害リスクを避けられる作物としてタマネギ栽培に取り組んでおり、10日ごろに植え付けを予定していた。 水が引いた後、農地を耕して仕切り直す計画だが、当初の予定より10日程度遅れる見込みで、「冬を迎える前に生育が進むのか心配だ」と案ずる。 島根県によると、2日午後7時時点で、江の川沿い(桜江町川戸)の降り始めからの雨量は計187ミリ。田津に近い桜江町 谷住郷の水位計の値は通常時の0・5メートルが、同日午後に10メートル超まで上昇し、氾濫危険水位を超えた。
田津自治会の河崎敏文会長(73)は「異常気象で災害がいつ起きるか分からなくなった。住民が安心して暮らせるよう、治水事業をスピード感を持って進めてほしい」と切望した。