強豪・桜花学園に「誰でも入れる」バスケ部が誕生 コンセプトは「楽しむこと」
部員は皆兼部、初心者向けに丁寧な指導
「誰でもバスケ部」は、全部員が笠井さんや大森さんのように他の部と兼部しており、敷居の低さが魅力の一つだ。佐藤コーチや白コーチは初心者の目線まで下げ、ボールの扱い方やドリブルの仕方、シュートの打ち方など、懇切丁寧に指導を行っている。 佐藤コーチは「経験の有無でレベルの差はありますし、週1回の活動なので急成長するのは難しい。しかし、生徒たちはそれぞれにレベルが上がっています」と成長を感じている。大森さんは「優しく丁寧に教えてくださって、楽しんでバスケをやれています」と笑顔を浮かべる。
互いに教え合い「みんなでやれるって楽しい」
部員たちは活動する中で、新たな発見や学ぶことも多いという。「強化指定部のバスケ部では、みんなで目標を達成できた時などは、他では味わえない喜びがあります。一方で『誰でもバスケ部』は初心者の人もいて、いろいろお互いに教え合える。コミュニケーションを取りつつ、みんなでやれるのは楽しいです」(笠井さん) 初めてバスケに触れた大森さんは「自分でプレーしてみると、シュートはなかなか入らないし、パスもすぐに取られてしまってうまくいかないことが多いです。見ているだけでは感じられないバスケの楽しさや難しさを知りました」と話し、兼部先の写真部に生かせる視点を得たとほほ笑む。
コーチも「バスケを楽しむ」原点を再確認
佐藤コーチも、「バスケ未経験の生徒と接することで、きめ細やかな指導の重要性を感じ、自分自身の振り返りになります」と顧みる。加えて「バスケットを楽しむことは、強化指定部も『誰でもバスケ部』も変わらない。そんなことを再確認させてもらっています」と、指導者としての気づきにもなっている。 来年度はJBAへの選手登録をして、強化指定バスケ部が出場しない大会への出場を目指していくという。大森さんが「気軽に体を動かしたいという人でも、どんどん増えてほしい」と話す。「誰でもバスケ部」では引き続き、部員を募集中だ。