テレビっ子集まれ~!『放送ライブラリー』で電波の旅へ。
「昨日のあれ見た?」なんて会話をすることがなくなって久しい。SNS、サブスク、ゲームなどなど娯楽が多様化したことで、かつての「共通言語」だったテレビやラジオが当たり前にある景色は、過去のものになりつつある。 【すべて見る】『放送ライブラリー』体験写真
そんななかで、テレビは放送開始から昨年で70年の節目、ラジオ放送は来年には100周年を迎える。1世紀近くも大衆文化の中心を担ってきたこれらのメディアは、現代の歴史を物語る一つの重要な歴史的資料だ。それにもかかわらず、放送文化は基本的に”送り・放たれる”ものだから、見逃したものや、生まれる前のものについて知る機会はあまりない。
いや、TverやYouTube、サブスクがあるじゃないか、といっても権利関係をクリアしてなかったり、保存して配信することを想定していなかったりして取りこぼされた番組は無数にある。それに、切り抜かれた番組単体というより、放送文化そのものを俯瞰して体系的にディグしていくのが、情報やエンタメで溢れる現代における、クールなテレビウォッチャーの姿ではないか!
YouTubeでは味わえない、放送文化をディグ。
そこで訪れたいのが、みなとみらい線・日本大通り駅から直結の『放送ライブラリー』。1991年に開設したここは、放送法に基づく国内唯一の放送番組専門のアーカイブ施設。館内は、テレビやラジオ番組、CMなど放送に関するアーカイブが公開されている視聴ホールと、展示・イベントが随時開催される展示ホールの2フロアを備えている。なんといっても驚くべきは入場無料である点。公園や図書館と同じような感覚で気軽に訪れることができる最強の遊び場の一つでもあるのだ。
視聴ホールでは、放送初期から近年に至るまでのNHK・民放局のテレビ・ラジオ番組、CMのアーカイブが39,000本ほど閲覧可能。座席の端末で番組検索を行い、見たいタイトルを選択すると、その場で番組を視聴することができる。真赤なイスにモニターのおかれたブースがずらりと並ぶ様は、どことなく『2001年宇宙の旅』のワンシーンのような近未来感が漂う。それに倣って例えるならばこちらは”電波の旅”といってもいいかもしれない。