博報堂、広告詐欺対策で「ワールドコイン」と提携:日経新聞報じる
博報堂が、OpenAIのCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が手掛ける暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」の運営会社と業務提携を結んだと、日本経済新聞が8日に報じた。この提携は、デジタル広告業界が直面する広告詐欺(アドフラウド)問題への対策を主眼としている。 ワールドコインは、虹彩認証技術を用いて個人の一意性を確認し、ブロックチェーン上でデジタルIDを発行する暗号資産プロジェクトである。ユーザーは認証を受けることで「ワールドID」を取得し、同時にワールドコイントークンを報酬として受け取ることができる。 同紙によれば、このワールドコインが提供する認証技術を用いて「人間」であることを確認し、発行される固有のデジタルIDをネット広告に活用する計画だという。この技術により、AIボットによる不正なトラフィックを排除し、広告効果の正確な測定と適切な広告配信の実現を目指している。 日経新聞は、広告主などに不正監視サービスを提供するスパイダーラボズの調査を引用し、2023年の日本国内におけるアドフラウドの被害額が1667億円を超えていると報じている。 博報堂はワールドコインのID取得者を日本国内で増やすことを計画しており、現在約40カ所に設置されている認証用機器「オーブ」を100カ所規模に拡大する意向だという。 |文:栃山直樹|画像:Shutterstock
CoinDesk Japan 編集部