初期消火で延焼拡大防ぐ 住民らに感謝状/京都・福知山市
福知山市消防本部(澤田晴彦消防長)は10日、8月に京都府福知山市夜久野町畑で発生した建物火災で、適切な初期消火活動を行い、建物や山林への延焼拡大を未然に防いだとして、市内外に住む3人に感謝状を贈った。現場は幹線道路から離れた奥地にあり、消防車両が到着するにも時間を要する場所で、住民らの行動が被害の最小化につながった。 感謝状を受けたのは、片山貞紀さん(70)=同町金尾=、藤原輝夫さん(62)=同=、村田弥生さん(72)=滋賀県栗東市=。 火災は8月10日午後3時ごろ、同地区内にある空き家で発生。空き家の所有者が、伐採した庭木を焼却していたところ、家屋に燃え移った。 発生当時、自宅の庭の手入れをしていた片山さんが、ガラスの割れるような音を聞き、周囲を見渡して火災を発見。119番通報したあと、自宅から消火器と家庭用のホースを持って駆けつけ放水したが、火の勢いは弱まらなかった。 その後、近所に住む藤原さん、帰省中だった村田さんらも加わり、近くの消火栓を開けて放水。消防車両が到着した時には、火はほぼ鎮圧状態だった。 現場は同町井田の国道9号から府道小坂青垣線に入って車で10分以上かかる場所で、市街地からは到着までに時間を要する。住民たちの適切な行動がなければ、周囲に燃え広がり、被害は甚大化していた恐れがあったという。 感謝状の贈呈式は東羽合の市防災センターであり、片山さんが出席。澤田消防長が感謝状を手渡した。 澤田消防長は「今回のような的確な通報と初期消火活動は、被害の軽減には極めて重要です。今後も地域住民の安心、安全のためにお力添えをお願い申し上げます」と感謝の言葉を述べた。 片山さんは「感謝状を頂けたことは素直にうれしい。これからも地域の安全に気を配っていければ」と話していた。