10年以上前から強固な結束力 中川誠一郎と小岩大介がワンツー決める「やっぱりセイさんですよ」/全日本選抜競輪
岐阜競輪「読売新聞社杯全日本選抜競輪(G1)」は10日、2日を開催。一般3Rを走った中川誠一郎(44歳・熊本=85期) と小岩大介(39歳・大分=90期) に話を聞いた。 気持ち一本で走る選手は一度モチベーションが落ちると、なかなか元に戻るのに時間がかかる。初日敗退を喫し意気消沈の中川誠一郎はまさにその手のタイプ。 初日のあとに2日目のメンバーが発表されても「初日のようなレースじゃ自分で動いても後ろの選手に迷惑がかかる」と自信を落とし、九州同士で一緒だった小岩大介には「好きなところに行っていいよ」と別線を勧めた。 九州別線も予想されたが、実は小岩は中川を乗せるのが昔から大得意。褒めて、持ち上げ中川をその気にさせたか、最終的には「んん、じゃあ前でがんばるよ…」とのコメントを引き出した。 中川も小岩じゃなければ頑なに拒否していたかもしれない。だが、両者は10年以上前から強固な結束力を誇っており信頼関係がある。中川は小岩のマーク屋としての力量をかなり評価しており、後ろに付くとやけに仕掛けが早まったり、普段見せないようなアグレッシブさを出すことが多い。2日目も「小岩にぜんぶ任せて、しゃくって先行も考えていました」と言うほどだった。 先行はならなかったが、切って脚を使って向かい風をグングンと突き進み、終わってみれば小岩が差して両者のワンツーが決まった。 小岩は「やっぱり、セイさんですよ」と中川に最敬礼。中川も「前回の静岡記念もそうだったけど、脚は上がってきているんです。初日も8番手に置かれたけど、切り替えが無ければ面白かったと思う」とご機嫌モードで気持ちは高揚していた。かつて“負け戦の鬼”の異名を取った男だけに3日目以降も楽しみだ。(netkeirin特派員)