長生きしている人は「地べた」に座っている!? 世界が注目する日本人の長寿の秘訣
人生100年時代と言われる現代。どうせ、長生きするなら、健康に元気に過ごしたいとは思わない?そんなあなたは、今日から椅子やソファーに座るよりも、床に座ったり、寝転がったりする「地べた派」になってみてはいかが? 【写真】100歳まで生きた人に聞いた!大切にしていた15の習慣とは サザエさんの時代(おそらく昭和中期頃)には、一般的だった床に座ってご飯を食べたり、くつろいだりするという生活習慣。今は、都心では珍しいものになっているかもしれないけれど、実はこの床に座る・立ち上がるという習慣が健康長寿につながるかもしれないんだとか。健康長寿を目指している、そこのあなたは、ぜひ参考にしてみてはいかが?
沖縄の百寿者は地べた派
ナショナル・ジオグラフィックの探検家、ダン・ベットナーは、20年以上ブルーゾーン(長寿のホットスポット)の研究をしてきた。彼は、言わば”長寿の専門家”だ。そんな彼が長寿の秘訣を追求する旅を描いたNetflixドキュメンタリー『100まで生きる: ブルーゾーンと健康長寿の秘訣』の中で、紹介したブルーゾーンの中には、沖縄の人々の暮らしについても紹介されている。 このドキュメンタリーによると、90歳や100歳の沖縄の健康長寿の家には家具がほとんどなく、地面すれすれのテーブルと畳があるだけだと説明されている。こういった人々の生活の中では、床に座って食事をしたり、本を読んだり、くつろいだり、井戸端会議をしたり…そんな昔ながらの風景が今も残されている。 べットナー氏が出会った103歳の高齢者でさえ、1日に30回は床から立ち上がり、座るという動作を繰り返していると言う。専門家は、抗酸化作用の高い食べ物や親密なコミュニティといった他の要因とともに、この生活習慣が彼らのユニークな長寿の要因であると見解を示している。
地べたに座る=日常的に筋トレができちゃう
他の研究でも、座って床から立ち上がる能力が長寿を予測することが分かっている。2014年の研究で、研究者たちは筋骨格系のフィットネスと生存の関連性を調査するために、座位立ち上がりテスト(SRT)を開発した。 SRTは0点から5点まで採点され、5点であれば、(手、膝、脚の側面を含む)いかなる支えもなしに、床からうまく立ち上がることができ、ふらついたりバランスを崩したりすることがないことを示す。 この研究では、51歳から80歳までの2,000人以上を評価し、SRTスコアが全死因死亡率の有意な予測因子であることを明らかにした。つまりは、床からうまく立ち上がることができる・できないで、死亡リスクを増大させる可能性を予測できるというわけだ。 べットナー氏はドキュメンタリー内で、床から立ち上がり、座るという動作は、基本的にスクワットをするようなものと説明。ただし、ジムでスクワットを30回するのではなく、百寿者たちは一日中無心でスクワットをしていることになる。(わざわざジムに行ったり、高いお金を払う必要もなし)スクワットはただ単純にお尻を鍛えるだけではない。 例えば、骨密度を高めて骨格や背骨を丈夫にしてくれる効果、下半身を鍛えて膝や足首を痛めにくくしてくれる効果、加齢とともに硬くなる腱や筋肉、靭帯の柔軟性を高める効果、そして筋肉量を増やすこと効果、なども期待できる。 加えて地べたに座ることと長寿のもうひとつの大きな相関関係は、それが何を防ぐかということだとベットナー氏は考えている。アメリカ疾病予防管理センターによると、転倒は65歳以上の怪我や、怪我に関連した死亡の主な原因となっている。SRTのスコアが高いと、転倒の危険性が低くなる。これは、転倒を防ぐために可動性、柔軟性、筋力を鍛えているから。 こうしたことから、地べた派は体全身を強くもできるし、高齢者の怪我や死因を防ぐことに繋がり、健康長寿をサポートしてくれる生活習慣になると考えられているというわけだ。