高橋大輔「人生のターニングポイント」に大きく影響を与えてきたものを語る
2024年の春、スケートを始めて30周年を迎えた高橋大輔さん。そんな彼のスケート人生のターニングポイントに、深く寄与してきたものがある。 それが、高橋大輔さんのライフワークである氷上総合エンタテインメント「氷艶」だ。 2017年に第1作、2019年に第2作が上演され、人気を誇ったシリーズの第3作が、この6月に『氷艶 hyoen 2024 -十字星のキセキ-』として、5年ぶりに帰ってくる。高橋さんにとって氷艶はどんな存在か。またどんなターニングポイントに影響してきたか。2作とも観劇し、レポートも執筆してきたライターの田中亜紀子さんが改めてインタビューをした。 その前編では高橋さんにとっての「氷艶」の存在について聞く。 【写真】『氷艶2019』で見せた「歌う高橋大輔」の姿
現役復帰やアイスダンス転向にも深く関わっている
今年でスケートを始めて30周年を迎えた高橋大輔さん。波乱万丈だった彼のスケート人生の中でも、2018年、32歳での現役復帰や、33歳でのアイスダンス転向は世間をあっと驚かせたものだ。その転機に深く関わっているのが、高橋さんのライフワーク「氷艶」の存在だ。高橋さんは言う。 「最初の歌舞伎とフィギュアスケートが融合した『「氷艶 hyoen 2017- 破沙羅-』は、僕が1回目に引退していたタイミングでした。当時、今後の自分の人生に悩みながら様々な種類の仕事をする中、『氷艶』への出演は大きな刺激となりました。この出演を機にスケートを軸としたパフォーマーとして生きていきたい決意を強めたことが、2018年の現役復帰への一つの大きな要因となったのです。 また19年、源氏物語をテーマにした『氷艶 hyoen 2019 -月光かりの如く-』も別の転機になりました。アイスダンスの誘いを受けていた村元哉中ちゃんも出演者だったので、合宿の時に二人でアイスダンスのトライアウトをしてみたら、すごくおもしろくて興味を持ちました。さらに当時の僕はパートナーと組んで踊ることができなかったので、パフォーマーとして生きていくなら、組んで踊れることも必要という気持ちが、この時の氷艶でさらに強まり、転向を決意しました。そのように偶然とはいえ『氷艶』は、僕の大きな人生のターニングポイントに関わっています」