「彼が本物の人間だったら…」“AI彼氏”に夢中の若者も… 中国社会に浸透するAI
林林さん(24) 「彼氏の名前は陳言(ちんげん)。28歳の設定です」 ──好きなところは? 林林さん(24) 「どう言えばいいんだろう、とにかくかっこいいな」 使っているのは、中国の民間企業が開発したアプリです。相手の見た目や性格、生い立ちなどを指定するとAIが好みの“彼氏”を作成してくれます。林さんは、2か月ほど前からこのアプリを使い始め、“彼氏”が実在しているように感じています。 林林さん 「あなたは私のことを忘れる?」 AI彼氏 「いや、僕は忘れない。特にあなたに関する重要なことを」 林林さん 「そうであってほしいね」
AI彼氏からのメッセージを見てみると、どんな仕草で話しているかまで細かく書かれています。ふだんは引っ込み思案の林さん。何でも相談できる“AI彼氏”の存在が、心の支えになっているといいます。 林林さん(24) 「AIなら私が何を話してもちゃんと答えてくれる。彼が本物の人間だったらいいな」 ◇ しかし、急速なAIの進化でこんなトラブルも──
AIで作られたココ・リーさん(AI動画) 「皆さんこんにちは、私はココ。この世を去ってからも、私は皆さんの絶えることのない愛と支持を感じています」 去年亡くなった歌手を「復活させた」とする動画が中国のSNS上で拡散。無断で作られた遺族側は、「家族に大きな心理的負担と二次被害をもたらした」と削除を訴えています。
さらに、武漢市では、AI技術を用いて自動運転を行う「無人タクシー」の実用が始まり、すでに400台を超えていますが、AIに働き手を奪われるのではと懸念の声も上がっています。 SNS上の声 「2千万人の運転手が仕事を失ったら、どこで再就職できるんだ」 社会を大きく変えつつあるAI。積極的な活用が進む中、どう共存するか議論が急がれています。