トランプ氏の対中関税、来年序盤に約40% 中国経済下押し=専門家
Vivek Mishra Kevin Yao [ベンガルール/北京 20日 ロイター] - ロイターのエコノミスト調査によると、米国のトランプ次期政権は来年序盤に中国からの輸入品に40%近い関税を課し、中国の経済成長率が最大1%ポイント押し下げられる可能性がある。 調査は今月13─20日に中国本土内外のエコノミスト50人以上を対象に実施した。 トランプ氏は中国製品に一律60%の関税をかける意向を示しているが、米国内のインフレ加速につながる恐れがあるため、実際の関税率は予想中央値で38%になるとみられている。予想レンジは15─60%。 関税が発動されれば、来年の中国の経済成長率を0.5─1.0%ポイント前後押し下げる要因になると予想されている。 ただ、今回の調査では、大半のエコノミストが中国の経済成長予想を据え置いた。予想中央値は今年が4.8%、来年が4.5%。2026年の予想は4.2%。 エコノミストは、トランプ氏の対中通商政策を見極めたいと回答しており、今後、予想が下方修正される可能性がある。 <追加の景気対策を予想> エコノミスト23人中19人は、中国政府が最近発表した財政・金融政策について、効果が乏しく、追加の対策が必要だと回答。経済成長の押し上げにつながると回答したエコノミストは4人にとどまった。 エコノミストは、中国政府が対米貿易摩擦から国内経済を守るため、数週間以内に追加の景気対策を発表する可能性が高いと指摘。ただ、政策支援にもかかわらず、中国経済の減速は続くと予想している。 消費者物価指数(CPI)上昇率の予想は下方修正され、来年が1.1%、26年が1.4%。10月の調査ではそれぞれ1.4%、1.6%と予想されていた。 主要政策金利である7日物リバースレポ金利は来年初めに20ベーシスポイント(bp)引き下げられ1.30%となる見通し。下半期にはさらに10bpの引き下げが予想されている。