投資家の生の声がキラーコンテンツ…2年間で読者2万人超、 有料メディア「みんかぶプレミアム」が急成長した理由
ダメな投資家はダメな投資家として紹介すればいい
――具体的にどのような記事が読まれるのでしょうか。 一番は投資家の生の声、ですね。実際に、自分の金を使って金儲けした人、損した人の相場観や格言、決めているルール、哲学…。どんな本を読んでいるか、どんなメンタルで朝9時を迎えているか、そういう話が課金されます。自分のメリットに直結するからだと思うんですけど。 毎日ゴリゴリデイトレードしている、もしくはパソコンに張り付いてやっている人たちが何を考えているのかに課金してくれるのが多いですね。ダメな投資家はダメな投資家として紹介すればいい。最初の1千万円を作るために何をしたのか。この期間にこれはやった、これだけはやらなかった、と。今は、日本にいる投資家と名乗る人を全員取材してやろうと思っています。大変です(笑)
「良い記事だけど読まれなかったね」はみんな不幸
――普段はどんな体制で運営されていますか。どんな風にネタを決めていくのかも気になります! 僕と副編集長、業務委託3人で、月100本くらい配信しています。編集会議はやっていなくて、会話の中で決めています。例えば、旧ジャニーズ問題。最初は違う視点があれば書けばいいと思っていました。メンバーの一人に「ゲイの視点でジャニーズ問題を書ける人いないかな?」って相談したんです。そしたら、ゲイ雑誌元編集長のサムソン高橋さんの名前が挙がって。「ゲイから見たゲイ」という視点で、「ジャニー喜多川は本当は誰も愛したことがないのではないか」という記事を、2丁目での体験を基に根拠となるように仕立ててもらいました。バズって、唯一無二のオピニオンになりましたね。 ――でも、全ての記事が読まれる訳ではないですよね…。 メディア業界ではよく「良い記事だけど読まれなかったね」ということがあると思うんですけど。携わった人が不幸だし、書いた人も不幸。そうさせないために、導線を練らないといけないと思います。 編集者の仕事は、世の中を驚かせることだと思っているので。本も読むし、映画も行くし、ふらふらするし、飲みに行くし。人脈を広げていくうちに、ライターや識者、変な人も紹介されます。何が今、人に読まれるのか、何に興味関心があるのか、常に追うようにはしています。 ◇ 鈴木聖也(すずき・せいや) みんかぶマガジン編集長。1988年、前橋市生まれ、慶應義塾大学法学部卒業。共同通信社、プレジデント社などを経て22年から現職。 (まいどなニュース・山脇 未菜美)
まいどなニュース