「蛙が鳴くと雨が降る」というのはなぜ? カエルにまつわる言い伝え
6月6日は「カエルの日」です。。制定したのは「かえる友の会」で、カエルの鳴き声である「ケロ(6)ケロ(6)」の語呂合わせが関係しているとか。カエルというと、古くから縁起物として親しまれているほか、「蛙の子は蛙」といったことわざや、「蛙が鳴くと雨が降る」といった天気にまつわる言い伝えにも登場します。日本古来の伝承や風習、先人の知恵など諸説に着目するこの連載。今回は記念日にちなみ、カエルについてお届けします。 【画像】やってはいけない言い伝え いくつ知っている? ◇ ◇ ◇
縁起物としても親しまれているカエル
カエルは、世界各地に生息する両生類の生き物です。日本では「かわず」とも呼び、古くから俳句に詠まれたり、昔話や童謡にも出てきたりするなど親しまれてきました。また、カエルの語呂合わせや特性から、縁起が良いものとして、現代も置物やお守りのモチーフになることが多くあります。 たとえば、カエルを「お金や福が返る」や「無事に帰る」にかけて、金運や運気アップ、安全祈願の象徴にしたり、前にピョンと跳ぶ様子から出世、多産なことから子宝を願ったりするなど。さまざまなシーンで願掛けされるカエルは、“万能な縁起物”といえるのかもしれません。 ちなみにカエルの子であるオタマジャクシも、その名が縁起物に由来していることで知られています。滋賀の多賀大社のお守りで知られる「お多賀杓子(おたがじゃくし)」に形が似ていることから転じ、「おたまじゃくし」と呼ばれるようになったそうです。
ことわざの「蛙の子は蛙」は、ほめ言葉ではない
縁起物である一方で、ことわざなどで出てくるカエルは、平凡な様子のたとえになっていることが多いです。たとえば「蛙の子は蛙」。オタマジャクシの見た目は親とは似ていませんが、成長するとやはりカエルになる様子に由来することわざです。直接的な意味は「子は親がたどった道を歩む」となりますが、「凡人の子は凡人にしかなれない」とのニュアンスを含み、ほめ言葉ではありません。 同じような意味に「竜と心得た蛙子(かえるこ)」があります。こちらは「竜のように立派になると期待していたわが子も、やはりカエルの子のように凡人にすぎなかった」といった意味。子に対する親の見込み違いのたとえで用いられます。 また、「井の中の蛙(かわず)」や「井の中の蛙、大海を知らず」は、ほかに広い世界があることを知らずに、自分の周囲の狭い範囲だけでものを考えていることのたとえです。また「蛙の面に水」は、カエルの顔に水をかけても平気なことから、どんな仕打ちを受けても何も感じず、平気でいる様子を表現します。