「蛙が鳴くと雨が降る」というのはなぜ? カエルにまつわる言い伝え
カエルは雨を予測できる?
このほか、カエルにまつわる言葉でよく知られているのは、「蛙が鳴くと雨が降る」という言い伝えです。カエルといってもさまざまな種類がありますが、このカエルは、ニホンアマガエルのこと。アマガエルは、雨が降る前の空気中の水分量を察知して「ケッケッケッ」と鳴くことがあるといわれているのです。これは、カエルの呼吸と関係があると考えられます。 そもそもカエルは、肺呼吸をサポートする形で皮膚呼吸もしています。カエルの表面がいつも濡れているように見えるのは、酸素を水にとけた状態で皮膚から取り込むために、体の表面に粘液を出しているからです。雨が近づくと空気中の湿度が高くなり、皮膚呼吸がしやすくなって、鳴くことが多くなるといわれています。雨が近づいたときのカエルの鳴き声は「雨鳴き」や「レインコール」などと呼ばれています。 しかし実際には、カエルが鳴いたからといって確実に雨が降るとはいえません。カエルは、ほかのオスに自分の縄張りを示すとき、敵が近づいたとき、素早く逃げるときにも鳴くことがあります。その鳴き声は未だ解明されていない点があるようです。 都心にいるとカエルと接する機会はあまりないかもしれませんが、初夏の水田にはアマガエルをはじめ、トノサマガエルやツチガエルなどが集まります。機会があればそっと耳を澄ませ、天気を確認してみましょう。
鶴丸和子