高校サッカー 〝赤い要塞〟の東福岡、県大会から7戦連続無失点 静学相手に指揮官に〝リベンジ〟プレゼント
第103回全国高校サッカー選手権準々決勝(4日、東福岡0-0静岡学園=PK戦5-4、UvanceとどろきスタジアムbyFujitsuほか)4試合が行われ、東福岡が静岡学園に0―0からのPK戦を5―4で制した。県大会初戦から7試合連続無失点の堅守で9大会ぶりの4強入りを決めた。流通経大柏(千葉)は上田西(長野)に8-0と完勝。初出場の東海大相模(神奈川)は明秀学園日立(茨城)に2-1で逆転勝ちし、前橋育英(群馬)は堀越(東京A)に1―0で競り勝った。11日の準決勝(国立競技場)の組み合わせは、東福岡―前橋育英、流通経大柏―東海大相模に決まった。 【写真】試合に敗れ肩を落とす静岡学園イレブン 東福岡の〝赤い要塞〟が立ちはだかった 鉄壁の守備を貫き、指揮官に特別な1勝をプレゼントした。優勝2度の技巧派集団、静岡学園にもゴールは許さない。県大会から7試合連続となる無失点に貢献した東福岡のDF山禄涼平(3年)がチームの思いを代弁した。 「監督のリベンジっていうのは意識していた。日本一の監督にしないといけないと思っているので、静学には絶対勝ちたかった」 因縁の相手だった。選手権大会では2014年度大会の3回戦で0―3で敗れるなど、通算2戦で1敗1分け。さらに1995年度大会の準決勝では1―1からのPK戦で敗退。当時、MFとしてピッチで肩を落としたのが、今年度から指揮を執るOBの平岡道浩監督だった。 29年のときを経て指揮官の思いも背負った選手たちは、屈するわけにはいかなかった。全国屈指の攻撃力を誇る相手に終始押し込まれ、シュート数では1対8。それでも体を張って守り切り、山禄は「自分たちにはないテクニックがある相手に対して、フィジカル、根性で戦った」と力を込めた。 1回戦の尚志(福島)戦に続くPK戦では、後攻で6人目のキッカーとなったMF宇都宮夢功(むさし、3年)がゴールネットを揺らして決着。歓喜に沸く東福岡イレブンがピッチを駆け回った。その姿を見つめた平岡監督は「PK戦になったときに自分が負けた試合がフラッシュバックした。絶対に負けたくなかったです」と、満面の笑みを浮かべた。 11日の準決勝では、今大会4得点のFWオノノジュ慶吏(3年)を擁する前橋育英と対戦する。山禄は「点を取られないのは当たり前だと思っている。相手の強みを完全につぶして、次も無失点で勝ちたい」と意気込んだ。
2015年度大会以来となる4度目の優勝へ、国立でも〝赤い要塞〟が立ちはだかる。(鈴木和希)