トランプ再選の速報に「ロシアが歓喜」…プーチンが画策するウクライナ侵攻「勝利のシナリオ」が一気に加速
「ウクライナ」の決着が付かない理由
エミン:そもそもウクライナという国は大国ではありません。国内に軍需産業を持っていないから、欧米の支援がなければ戦っていけません。それが滞るとウクライナが苦戦するのはわかりきっています。 もう一つ、ロシアの人口は約1.5億人。一方ウクライナは約4000万人と、ロシアはウクライナの3倍以上あります。だから消耗戦になるとウクライナは分が悪いのです。 ではロシアが勝つかというと、現状ではそこまで言い切れない。ロシアも第2次世界大戦時とは違い、兵力が潤沢とまではいきません。人海戦術で、どんどん前線投入できるほど人口に余裕はありません。若者の数も少ないのです。 さらにもう一つ、対ロシア経済制裁がボディブローのように効いてきます。特に半導体・ハイテク部品の輸出制限によって、ロシアは徐々に飛行機もろくに飛ばせなくなっている。一方のウクライナは、そもそも戦闘機の数が足りないのですが。 アメリカは戦争が始まった途端、敵のミサイル基地を巡航ミサイルなどで叩き、それから戦闘機・爆撃機で重要拠点をつぶしてしまう。そうやって制空権を確保したのち、初めて地上兵力を投入するわけです。 でもウクライナの場合、戦闘機の数が足りないし、ロシアも同じく制空権を確保できない。結果、地上戦に持ち込むことになる。ただ、その地上戦でも、戦車で戦線を突破することもできない。ドローンによる攻撃を受けるからです。結局、狭い地域で消耗戦を戦うことになっている。 ロシアはきっと、トランプ再選でアメリカのウクライナへの支援が停止されるとか、ヨーロッパがウクライナ支援をやめる、といった状況を待っているのでしょう。あるいは、いまロシアが押さえた地域くらいで諦めて一旦停戦し、5年後、10年後くらいに再度侵攻する、という考えではないでしょうか。 ただ、そんなロシアの考えは西側もお見通しなので、EUとしてもそう簡単には停戦できない。それが現在の状況。要するに打開策が見つからないのです。 『「もう戦車や戦闘機は時代遅れ」…ウクライナ侵攻で発覚した世界を脅かす「ヤバすぎる新兵器」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ