日産株の空売り残高、自動車でアジア首位-統合期待の株高後押しも
(ブルームバーグ): 経営統合観測で株価が急騰している日産自動車は高水準の空売り(ショート)ポジションを抱えている。今後、空売りの手じまいが増えれば、需給面で株高を支える一因になりそうだ。
S&Pグローバルによると、日産の空売りが浮動株に占める比率は19日時点で22%。ブルームバーグのデータによれば、これはアジアの自動車業界で最も高く、グローバルでもリビアン・オートモーティブの29%に次いで2番目に高い。日経平均株価を構成する225銘柄の中でも2位となっている。
オリオール・アセット・マネジメントの小野塚二也最高経営責任者(CEO)は、市場で全体的に買えないとみられている日本の自動車株の中でも、日産は業績改善に向けた大胆な施策への期待の乏しさなどから「最も売りやすい株のイメージがあった」と話す。
日産はホンダとの経営統合を検討していることが18日明らかになり、同日の株価は値幅制限いっぱいのストップ高まで急騰。19日も上昇が続き、2日間の日中上昇率として2009年以来の大きさを記録している。空売りが直近ピークを付けた11月19日の終値は428.7円だった。
オリオールの小野塚氏は、統合観測で売り方の一部は足元で買い戻しているとした上で、水準的にはまだわずかだろうと指摘。経営統合が実現すれば株価の一段高が期待できるとした一方、統合交渉の行方次第では再度空売りが増える可能性もあるとみている。
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Toshiro Hasegawa