突然の大量出血、1歳1カ月の娘を失った母の思い 10万人に1人の難病「クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群」を知ってほしい
特徴的な「赤あざ」が誤解されない社会になってほしい
うにさんが専門医に聞いた話によると、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の発症率は10万分の1で、日本の患者数は3000人ほどと言われているそう。 患者数が少なく、病名の認知度も低いことから、特徴的な症状である“赤あざ”には厳しい視線が向けられることもある。実際、うにさんはいろはちゃんと児童館へ行った際、他の母親から「お怪我しちゃったんですか」と尋ねられ、周囲の目が気になった。 「夏に足が出る服装をしていた時も周囲の視線をすごく感じ、赤あざがどう見えているんだろうと悩みました。同じ病気の子の中には顔に赤あざがある子もいるので、この病気への理解がもっと広がってほしいです」 子どもが五体満足で生まれてこられるのは、当たり前なことではない。その事実を、より多くの人に伝えたい。そう話すうにさんは自身と同じく、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の子を持つ親御さんに「どうか負けないで」とエールを送る。 「きっと、変わってあげたい気持ちでいっぱいだと思います。最近では新薬の研究も進んでいるので、もしかした治療法が良い方向に大きく変わる日は近いかもしれない。近いと信じ、その日が来るまで諦めないでほしいです」 また、うにさんはクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群と生きる当事者の心も包む。 「本当に頑張っているねと言いたい。誰が何と言っても、あなたの赤あざは個性だから気にしなくていい、あなたのことを大事に思っている人はちゃんといると伝えたい。周囲の視線に負けないで、と心から思います」 子どもを守りたいという想いが強い人ほど、クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の特徴的な赤あざは目についてしまうかもしれない。だが、子どもの心を守るには、こうした病気と生きている人がいるという知識を得ておくことも大切だ。 当事者やクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の子を持つ親に理解ある視線が向けられる社会になってほしい。 (まいどなニュース特約・古川 諭香)
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