止まらない学校の盗撮事件、浮かぶ実態「複数の男子生徒」「スマホや学校支給のタブレット端末」…防止策どうしたら?
●学校は「盗撮できしまう環境」
報道されている盗撮事件をふりかえってみると、ある特徴が浮かんできます。 「複数の男子生徒」が、「自分のスマホや学校配布のタブレット端末」を使用し、「学校内や修学旅行などの宿泊先」で、「着替え中やトイレに入った女子生徒を盗撮」するケースです。友人同士で「画像や動画を共有」しているケースも少なくありませんでした。 「子どもたちにとって、スマホやタブレットに高性能なカメラがついていることは大前提であり、使用にも抵抗感がありません。このため、自分の行動の問題を考えたり、衝動を抑える力が身につく前に、盗撮できてしまう環境が、今やほとんど全ての子どもに整ってしまっています」 そう指摘するのは、子どもや学校のトラブルに詳しい髙橋知典弁護士です。学校側の管理にも問題があるといいます。 「学校も子どもの着替えに対して無頓着です。その結果、教室や体育館など、さまざまな人が出入りする場所で着替えていたり、更衣室であっても上の窓は廊下に繋がって階段からは見えるようになっていたり、大人が着替える場所と比較すると、非常にずさんな管理体制になっています。 また、修学旅行などではお風呂や脱衣所での盗撮もよく起きます。特に、ホテルや旅館の中には、撮影技術が発達する前に作った間取りのままで営業してきた古い施設も多く、容易に盗撮できてしまうような場所があります」
●なぜ学校の盗撮事件が「危険」なのか
環境が整ってしまっているとはいえ、なぜ、子どもたちは気軽に盗撮をしてしまうのでしょうか。髙橋弁護士はこう説明します。 「盗撮犯罪は、殴ったり蹴ったりといった傷害事件などと違って、『加害者が被害者の苦痛に歪む顔を見ないで出来てしまう』のが特徴です。 そのため、普段は優しいといわれているような、いわゆる優等生の子が、罪悪感を抱く機会を持たずに、何度も盗撮をしてしまっていたということも起きています。 また、多くの場合子どもたちは、友達同士の悪ノリで盗撮します。撮影に成功すれば、さらに悪ノリして周囲の同級生に配ってしまうことが往々にしてあります。