能登半島地震から半年 小室アナが見た被災地の現状…いまだ残るがれきの山 市長「復興は1割にも達していない」
いまだに見つからない“弟”
地震によって大規模な土砂崩れが発生した、輪島市市ノ瀬町。土砂崩れによって、弟が安否不明となった垣地裕明さんは、現在、現場近くの避難所で生活していました。 行方不明の弟を探す 垣地裕明さん: (弟が)この土の中にいるやろうということを考えると、見つかるまでは何も、僕的には何も変わるものはないんです。 警察などによる捜索活動は、二次災害の恐れがあるとして、3月に中断していましたが、安全が確認されたとして、4カ月ぶりに6月24日から再開されたといいます。 ――当時と比べ現場は変わりましたか? 垣地裕明さん: 変わっていますね。まず土砂の量が全然違います。大きい土木関係もかなり整理されています。今警察が立っているあそこまで、どてーんと山のように、土砂が来ていましたから。(当時は弟が)いるのかもしれないですけども、まあもうどうかもわからなかったので、とりあえず弟の名前を叫びましたね。 捜索による進展っていうのは、はっきり言って…ないですね。 現在も、弟の英次さん含め3人が見つかっていません。 垣地裕明さん: こちらへ来る道も当初に比べれば全然良くなっているし。その辺を思うと、少しずつ周りは変わってるのかなと思うんですけれども、うちの場合ね、やっぱり(弟の)発見やと思うんですけれども、その発見がない限りは、1月3日にここで叫んでた、あの心境と何も変わるとこはないですね。 でも、一生懸命本当にやっていただいて感謝はしております、本当に。もう近い将来、絶対見つかると確信はしております。
「漁に出られない」元通りになるめどたたず
能登半島地震は、港にも大きな被害をもたらしました。 現在、約150隻が停泊する石川県内最大の水揚げを誇る「輪島港」では、最大で2mほど海底が隆起して、漁業に深刻なダメージを与えました。 輪島市底曳組合 沖崎勝敏 組合長: すぐ高台の方逃げたもんで、(船を)2日後ぐらいに見に来たんだけど、ずっとこのまま、水の引いた状態というか。ここらは一応浮かんでいたんですけど、もう本当ちょっと後ろ行ったら、全然浅いもんで、船の底が当たる感じになる。 沖崎組合長によると、海底隆起により停泊する約150隻の漁船は、震災以降、漁に出られない状況が続いているといいます。 ――漁に出られない間、漁師さんたちは何を? 輪島市底曳組合 沖崎勝敏 組合長: 土木関係の方に行ったり、ごみの仕分け、家の解体の仕事に行ったり、そういう仕事をしていますね。 約300人の漁師が、漁業権などを理由に他の場所では漁ができないといいます。 輪島港では、船の出入りが再開できるよう、隆起した約2m分を掘削する工事が進められていますが、工事が終わっても、荷さばき場などの損傷が激しく、元通りになるめどは全くたっていません。