最低50万ユーロの高級EV生産か フェラーリ初のEV工場が完成
フェラーリが、同社初の電気自動車(EV)の生産に向け、イタリア・マラネッロの本社敷地内に新工場「eビルディング」を完成させた。EVは2026年に生産を開始する予定で、2億ユーロ(約350億円)を投資。最低でも50万ユーロの価格設定となる高級EVが生産されると業界では見られている。 【関連写真】新工場「eビルディング」の内部 「eビルの『e』にはエネルギー、エボリューション(進展)、エンバイロメント(環境)の意味がある」。21日に行われた完成式典で、ベネデット・ヴィーニャCEOはこう強調した。 敷地内の北側に完成したeビルは高さ25メートルの長方形で、4万2500平方メートルの建屋。地階、1階、メザニン構造(中二階)、2階という構造を採用。地階は一般作業、1階は組み立てと発送・輸送関連、中二階はオフィス、2階は車体、エンジン、部品の組み立てを行う。300人を雇用予定。生産するのはガソリン車とハイブリッド車、EVになる。 本格操業までは同社初の4ドア・4シート車「Purosangue」(プロサングエ)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のSUV「SF90」をテスト生産する。従来のガソリン車を25年から、EVを26年から生産するというのが当面の計画だ。 業界アナリストの見方によれば、新ビルで生産予定のEVの最低基本価格は50万ユーロ。欧州で第1四半期販売のハイエンド型EVの平均販売価格は35万ドルだっただけに、フェラーリのEVはかなりのプレミアムカーになりそうだ。
電波新聞社 報道本部