「打倒中国」への決め手は? 張本智和と戸上隼輔の“歴史的一戦”の先に見えた可能性
2ゲーム目、張本智和が反撃開始。3ゲーム目は…
2ゲーム目。ここから、張本のストップとチキータが冴え渡った。7-5へ突き放す場面では、両ハンドの打ち合いも耐え抜き豪快にドライブを決めた。戸上も、1ゲーム目に見られたチキータ+バックミートのコンビネーションをここでも試みるが、今度は張本がそれをバックミートでカウンター。10-8とする。 このあたり、もう張本は「相手がやってくるパターン」を予測している雰囲気だ。戸上は、左右だけではなく、前後にも大きく動く特有のスタイルでジュースに持ち込むが、振り切る様な形で、12-10で張本が勝利した。 3ゲーム目。ここでは戸上がオールフォアか!?と思うほどのフットワークを披露。3-2へと突き放す場面ではロングサーブから仕掛ける形に変えてフォアドライブの連打を放った。 4-4の攻防では、張本が深いツッツキでネットミスを誘いつつ、機を伺う。それでも戸上は止まらない。左右、ミドルへ打ち分け、10-9。 最後は、この試合の前半で一つのカギとなっている「張本のフォア前のサーブをチキータ」。しかし、この大事な場面で、張本のフォア側へとコースを変えた。これが決まって11-9。まるで、固いガードを崩した熟練のボクサーのようにも見えてくる。
死闘も中盤戦へ。台上の攻防になると張本が有利に
4ゲーム目。張本はサーブを変えた。ロングサーブで戸上のチキータを封じようとしているのがわかる。 戸上リードの後半、9-6から戸上にサーブミスとレシーブミスが出て9-8となったところで、戸上のベンチがタイムアウトを取った。タイムアウトが明けると、張本がどのサーブを出すか注目されたが、バック側に長い下回転系を選択。これには戸上がバックドライブで対応。10-8に。そのまま攻め切って、11-8。戸上が勝ち切った。 5ゲーム目。死闘の中盤。1本目からバック対バックで、強烈な連打を叩き込む戸上。スイングスピードも上がり、張本を上回ってくる。張本は、終始、ストップをうまく使った。 台上の攻防になれば「台に張りつく前陣スタイル」の張本に、有利になる。 10-4では、ストップ合戦に。張本の精度が上回り、10-5と大量リード。戸上も攻撃の精度を上げて追い上げ、たまらず張本がタイムアウト。それでもロングサーブからの攻撃で11-9。張本が勝ち切る。 6ゲーム目。張本は、フォア前にチキータ対策としてか「縦回転」や「ナックル性」を混ぜた。単調にならず、アイデアが出るようになっている。これに対し、戸上に少しミスが出てくる。 その後、張本はロングサーブを主体に切り替え。伸びる、吉村真晴が使うようなアップダウンサーブも混ぜている。しかし、戸上の強打も止まらずにまたしても一進一退の攻防に。 9-9へと張本が追いつこうという場面では、戸上が持ち味全開で、左右に高速で動くフットワークを披露。しかし、動き回って打ちまくる戸上のボールを、張本はブロックで完璧に受け止めながら、最後はフォアのカウンタードライブで打ち抜いた。 張本がバックで凌ぎきって10-10。ジュースに。その中で張本は、ミドルへ長いツッツキを挟んで翻弄するアイデアを繰り出す。戸上にミスが出る。そのままバックミートの打ち合いで優位に立つと14-12で張本が勝ち切る。